A. 展開のガイド

このチャプターでは、think-cell を大規模な組織で展開する方法について説明します。コンピューターに think-Cell の個人版をインストールする場合は、インストールとアップデートを参照してください。

A.1
インストール前の考慮事項
A.2
最初のインストール
A.3
継続的なメンテナンス

A.1 インストール前の考慮事項

think-cell の展開のほぼすべての側面が、サポートされている両方のプラットフォーム (Windows or macOS) で共通しています。詳細が異なる場合には、本文の該当箇所に明記されています。初回インストールの構造と構成設定の配布の仕組みは、大きく異なるため、別のセクションで説明されています。Windows 上の think-cellのみを管理している管理者の方は、macOS 向けのインストールに関するセクションをスキップしてください。同様に、macOS 上の think-cellのみを管理している管理者の方は、Windows 向けのインストールに関するセクションをスキップしてください。

A.1.1 ワークステーションの前提条件

Windowsの場合、think-cellは Windows 用の Microsoft Office 2010、2013、2016、2019、または2021で機能します。ただし、PowerPointとExcelがインストールされていることが最低要件となります。またthink-cellは、Office 365においてデスクトップ版Officeアプリの完全インストール版とClick-to-Run (クイック実行形式) 版でも機能します。

Macの場合、Mac用のMicrosoft Office 2016(バージョン16.9以降)、2019または2021に加え、macOS High Sierra (10.13) 以降でも機能します。また think-cell は、Office 365において、デスクトップ版アプリの完全インストール版でも機能します。

次のアプリケーションをインストールする必要があります。

  • Microsoft Office Excel
  • Microsoft Office PowerPoint
  • Visual Basic for Applications (Office Shared Features から)

think-cell のインストールに必要な空き容量は 200 MB 未満です。

A.1.2 言語

think-cell のユーザー インターフェースは、英語、アラビア語、中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語で使用できます。インストール中、think-cell は Windows の地域設定と一致する言語を使用します。インストール後は、think-cell は Microsoft Office のインストールのメニューおよびダイアログの言語と同じ言語を使用します。

サポートされているすべての言語は、同じ統合パッケージに含まれています。think-cell でまだ言語がサポートされていない場合は、英語が使用されます。この自動言語選定の動作を変更することはできません。

A.1.3 自動更新

think-cell は、PowerPoint、Excel に強く統合されて、便利なインターフェースと豊富な機能を発揮します。強い統合のため、Microsoft Office の不明な変更への対応は保証できません。その結果、

  1. PowerPoint 2013 から2016 または2016 から将来のバージョンなど大きなバージョン更新が行われら場合、最新のthink-cell のバージョンが必要になります。
  2. Office 365などOfficeのClick-to-Run (クイック実行形式) 版エディションの場合、大半の更新プログラムにはthink-cellの更新プログラム (Office 365チャンネル間の差異も参照) が必要となります。
  3. Microsoft Office の MSI ベースのエディションのセキュリティ更新では通常、think-cell の更新は不要です。ただし、この更新不要については保証できません。Microsoft Office のセキュリティ更新には、互換性のためthink-cell のアップデートが必要になる場合があります。

think-cell には、ビルトインされた自動更新サポートがついています。この点、think-cell では、あらゆるMicrosoft アップデートに対応できるよう機能を新たに提供しています。PowerPoint や Excel を起動したとき、ソフトウェアは新しいバージョンがあるかどうかチェックします。新しいバージョンがある場合、ソフトウェアは更新を自動的にインストールしようと試みます。

利用可能な場合、think-cell は Microsoft バックグラウンド インテリジェント転送サービス (BITS) を使って Windows に更新プログラムをダウンロードします。ユーザーが必要とする場合、BITSは自動的に帯域幅を空け、モバイル演算環境で一般的なネットワークの中断からスムーズに回復します。各更新プログラムのサイズは約 80 MB です。

自動更新によって実行およびインストールされるすべてのファイルは、think-cell によるデジタル署名済みです。更新の安全性は、現在インストール済の think-cell のバージョンに含まれる自己署名証明書に対して確認されます。

自動更新は、同じインストール場所を使用するため、場所を変更せず think-cell の更新が行われます。

A.1.4 Office 365チャンネル間の差異

Office 365 など Microsoft 365 ライセンシングプラン向けに、Microsoft は様々な周波数とディレイで更新を展開する更新プログラム チャネルを提供しています。think-cell は、Office 365 のすべての更新プログラム チャネルに対応しています。弊社は毎晩、すべてのチャネルに関するMicrosoftの更新情報をチェックしています。think-cellと競合する更新プログラムがある場合は、速やかに該当するthink-cellの更新に着手します。以下の内容は、think-cell の自動更新が有効になっている場合を想定したものです。

以下は、各チャネルを使用する際にthink-cellが提供するサービスの品質の概要です。

半期エンタープライズチャネル
(2020 年 6 月 9 日より前に作成されたテナント向けの Microsoft 365 Enterprise (Office 365 ProPlus) ではデフォルト)
月次エンタープライズチャネル
および
現在のチャネル
(2020 年 6 月 9 日以降に作成された新規テナント向けの Microsoft 365 Business、Home、Personal ではデフォルト / 2020 年 6 月 9 日以降に作成された新規テナント向けの Microsoft 365 Enterprise ではデフォルト):当社は、Microsoft の更新の前に think-cell の自動更新を実施するため、think-cell の停止が生じることはありません。
半期エンタープライズチャネル (プレビュー)
および
現在のチャネル (プレビュー)
think-cell更新プログラムはダウンロードできますが、常に適時、自動更新が始まるわけではありません。競合が発生してエラー報告が有効になっている場合、アップデートは自動的にインストールされます。エラー報告が無効で、サポートメールがリダイレクトされていない状態で (「トラブルシューティングと重大なエラー」を参照)、ユーザーがエラーダイアログで [サポートをリクエスト] を選択すると、営業時間外であっても、更新プログラムのダウンロードリンクが含まれる自動メールが送信されます。
Beta チャネル
弊社は、Microsoftの更新後2営業日以内にthink-cellの更新プログラムを利用できるようにしています。そのため、最長2営業日の使用停止が発生する可能性があります。think-cellの更新準備が整った後の配信手順は月次チャネル(ターゲット)と同様です。

A.2 最初のインストール

A.2.1 構成パラメーター

think-cellは、特定のニーズと環境に合わせて様々な方法で構成できます。以下は、WindowsとMacの両方で利用できるthink-cell構成パラメーターの表です。Windowsでは、リボン向けに他の構成オプションを利用できます。パラメーターの使用方法に関する詳細:

Windowsインストーラーのコマンド ラインを介した構成パラメーターの展開または変更は、think-cellを(再)インストールした場合にのみ可能です。既存のインストールの場合は、他の3つの方法のいずれかでパラメーターを展開して変更することも可能です。

各パラメーターの使用と効果の詳細については、表の最後の列でリンクされているセクションを参照してください。

macOSについては、以下に列記されているキーすべてにcom.think-cell.settings.のプレフィックスを付け、com.microsoft.officeドメインをターゲットにする必要があります。例えば、フルlicensekeyキーはcom.think-cell.settings.licensekeyです。表に含まれているキーが[parent key].[subkey]形式の場合(reports.enabledなど)、ペアレント キーはdictタイプになり、サブキーは指定されたタイプになります。例えば、reports.enabledbooleanタイプとして表示されます。これは、フル キーcom.think-cell.settings.reportsdict値の内部にあるenabledキーのタイプです。

Windowsインストーラーのコマンド ライン 数値 グループ ポリシー macOS優先キー タイプ 数値 詳細
LICENSEKEY ="ABCDE-..." ライセンス キー licensekey string ABCDE-... 最初のスタート
UPDATES =0, =1 自動更新 updates.enabled boolean false, true 手動でのthink-cell更新プログラムの制御
UPDATESURL ="https://..." updates.url string https://... 所有サーバーでのthink-cell更新プログラムのホスト
NOFIRSTSTART =0, =1 初回起動操作を抑制 nofirststart boolean false, true 最初のスタート
REPORTS =0, =1 エラー報告 reports.enabled boolean false, true エラー報告
SUPPORTEMAIL ="desk@..." サポート support.email 文字列 desk@... トラブルシューティングと重大なエラー
DEFAULTSTYLE スタイル ファイルへの絶対パスまたは相対パス デフォルトのスタイルファイル defaultstyle string スタイル ファイルへの絶対パスまたは相対パス think-cell スタイルの展開
STOCKIMAGESDISABLECANTO, STOCKIMAGESDISABLEGETTY, STOCKIMAGESDISABLEPEXELS, STOCKIMAGESDISABLEUNSPLASH =0, =1 ストック画像:他のプロバイダー stockimages.

DisableCanto
DisableGetty
DisablePexels
DisableUnsplash

boolean false, true ストックイメージプロバイダー
STOCKIMAGESDISABLEBRANDFOLDER, STOCKIMAGESHIDESINGLEBRANDFOLDER =0, =1 ストック画像:Brandfolder stockimages.

DisableBrandfolder

boolean false, true
STOCKIMAGESBRANDFOLDERAPIKEY ="ABCDE..." stockimages.

BrandfolderAPIKey

string ABCDE...
STOCKIMAGESHIDEBRANDFOLDERCOLLECTIONS, STOCKIMAGESHIDEBRANDFOLDERSECTIONS =0, =1, =2 stockimages.

HideBrandfolderCollections
HideBrandfolderSections

integer 0, 1, 2

A.2.2 Windowsでのインストール

think-cell インストール ファイル「setup_*.msi」と「setup_*.exe」は、Windows の「msiexec」コマンドと同じパラメーターを認識しますが、すべての組み合わせが推奨およびサポートされているわけではありません。インストーラーは 1 つのみで、必要に応じて think-cell は 32 ビットまたは 64 ビットを使用することにご注意ください。ユーザーがセットアップ ファイルをダブルクリックして think-cell をインストールする場合は、setup_*.exe をご使用ください。

A.2.2.1 インストールの範囲

think-cell は、コンピューターやユーザーの状況に合わせてインストールすることができます。インストールする際に管理者権限、または Windows ユーザー アカウント制御(UAC) で昇格される場合、初期設定はコンピューターごとの管理になっています。ただし、ソフトウェアのインストールは許可されますが、管理者権限がなく、UACにより昇格されない場合はユーザーごとの管理になります。

各種のthink-cell バージョンがさまざまな状況(さまざまなユーザー アカウント向けのユーザーごとにインストールされた各種のバージョン、またユーザーごと、コンピューターごとにインストールされたバージョンなど)にある場合、Windows インストーラーの標準動作に基づいてそれらのバージョンを並列処理することができます。複数のインストールを行う場合は、割り当てられたユーザーアカウントで常にユーザーごとのインストールになります。その他のインストール(コンピューターごとのインストールを含む)は実行しません。これは、ユーザーごとのインストールがコンピューターごとの並列処理インストールよりも古いバージョンであっても同様です。

スクリプトまたはコマンド プロンプトのインストール、または特定のインストール オプションを強制する必要がある場合は、次の方法を使用します。

マシン毎

setup_*.msi /qn TARGETDIR="<absolute path>"

  • 実行中のアカウントには、リモート メンテナンス ソフトウェアによって起動されたスクリプトを使用したり、「管理者として実行」で起動したコマンド プロンプトからインストーラーを起動したりするなど、完全な管理者権限が必要です。アカウントに十分な権限がない場合、インストールは中止されます。
  • ALLUSERSパラメーターを省略します。
  • その他のパラメーターはオプションです。

    • /qn パラメーターは、Windows インストーラーのユーザー インターフェイスを抑制します。
    • 既定の出力先ディレクトリは

      %PROGRAMFILES%\think-cell

      32 ビットWindows システム上、および

      %PROGRAMFILES(X86)%\think-cell

      64 ビット Windows システム上です。TARGETDIRパラメーターで別のパスを設定する場合は、マシン上のユーザーすべてが送信先を読み取れることを確認してください。

  • 要望に応じて、setup_*.exe を次のように使用することもできます。

    setup_*.exe ALLUSERS=1

    その他のパラメーターは setup_*.msi の場合と同様に動作します。

Windows User Account Control (UAC) による自動的な権限の昇格

setup_*.exe /qb

  • ALLUSERSパラメーターを省略します。ユーザー アカウントが管理権限に昇格できる場合はマシン単位のインストールが行われます。そうでない場合は、インストーラはユーザー単位に戻ります。
  • その他のパラメーターはオプションです。

    • Windows 7 では、インストーラーのユーザー インターフェースを完全に無効にするために /qn を使用できます。また、進行状況バーを表示するためには /qb を、[/qb!キャンセル] ボタンを削除するためには を使用できます。Windows 8 以降のバージョンでは、/qb のみが推奨されています。/qn は、アカウントの権限が昇格する可能性があるにもかかわらずインストールを強制終了したり、予告なくユーザー毎にインストールしたりします。(これは、Windows 8 で行われた UAC への Microsoft の変更によるものであり、アカウント固有の UAC 設定に依存します)。
    • マシン毎のインストールの既定インストール先ディレクトリについては、上記をご参照ください。マシン毎のインストールの既定値は

      %LOCALAPPDATA%\think-cell

      TARGETDIRパラメーターで別のパスを設定しないことをお勧めしますが、実行する場合は、それぞれのコンテキストに対して適切な権限と所有権が設定されていることを確認してください。

ユーザー毎の強制

setup_*.exe /qn ALLUSERS=""

  • ALLUSERS="" は、ユーザーアカウントが UAC により権限を昇格させる場合でも、ユーザーごとのインストールを強制します。
  • 各ユーザー アカウントに対してインストーラを実行します。
  • その他のパラメーターはオプションです。

    • インストーラーのユーザー インターフェースを完全に無効にするために /qn を使用できます。また、進行状況バーを表示するためには /qb を、[/qb!キャンセル] ボタンを削除するためには を使用できます。
    • 既定の出力先ディレクトリは

      %LOCALAPPDATA%\think-cell

      TARGETDIRパラメーターで別のパスを設定しないことをお勧めしますが、実行する場合は、フォルダがユーザー アカウントに対して正式な権限と所有権が設定されていることを確認してください。

A.2.2.2 インストールされたファイル

インストール ディレクトリには、think-cell に必要な実行可能ファイル、ライブラリ、その他のファイルが含まれます。以下のフォルダーとファイルには注意が必要です。

  • admin-policy-templates (グループ ポリシー経由で設定を管理するために必要なテンプレート)
  • ppttc(JSONを使用する自動化のスキーマおよびサンプル)
  • styles(カスタマイズ向けのスタイル ファイルおよび追加の例)
  • xml-schemas(think-cellスタイル ファイルのスキーマ)
  • NOTICE.txt(含まれるコンポーネントの必須通知)

think-cell のインストールでは、選択したインストール フォルダー以外のフォルダーには書き込みを行いません。

think-cell を使用している間、追加のファイルは次のフォルダーに書き込まれます。

C:\Users\[user]\AppData\Roaming\think-cell

C:\Users\[user]\AppData\Local\think-cell

レジストリ エントリ

Microsoft PowerPoint および Microsoft Excelとのやりとりを可能にするため、think-cell をインストールすると、Windows レジストリの次のセクションにいくつかの新しいキーが作成されます。通常のインストールかシングル ユーザー インストールかによって、キーは HKEY_LOCAL_MACHINE または HKEY_CURRENT_USER セクションに作成されます。

\Software\Classes\CLSID\
{3EAB3858-A0E0-4A3B-A405-F4D525E85265}

\Software\Classes\CLSID\
{D52B1FA2-1EF8-4035-9DA6-8AD0F40267A1}

\Software\Classes\thinkcell.addin

\Software\Classes\thinkcell.addin.1

\Software\Microsoft\Office\
PowerPoint\Addins\thinkcell.addin

\Software\Microsoft\Office\
Excel\Addins\thinkcell.addin

64 ビット版の Windows では、次の追加キーが作成されます。

\Software\Classes\Wow6432Node\CLSID\
{3EAB3858-A0E0-4A3B-A405-F4D525E85265}

\Software\Classes\Wow6432Node\CLSID\
{D52B1FA2-1EF8-4035-9DA6-8AD0F40267A1}

\Software\Wow6432Node\Microsoft\Office\
PowerPoint\Addins\thinkcell.addin

\Software\Wow6432Node\Microsoft\Office\
Excel\Addins\thinkcell.addin

ライセンス キー、オンライン品質保証、自動更新の各設定は、Windows レジストリの次のセクションに保存されます。

Software\Classes\Software\think-cell

お使いのネットワークで think-cell.adm/x (グループ ポリシーを参照) に基づくグループ ポリシーが採用されている場合、think-cellは次のものを使用することもあります。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Policies\
think-cell

HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\
think-cell

think-cellは、Windows レジストリの他のセクションを変更しません。

A.2.2.3 グループ ポリシー

think-cell は、think-cell のユーザー グループに対する、もしくはマシン グループでの動作を集中管理する Windows のグループ ポリシーをサポートしています。グループ ポリシーを使用するには、グループ ポリシー オブジェクトを作成し、グループ ポリシー管理コンソールを使用して、サイト、ドメイン、または組織単位にリンクする必要があります。

以下の説明では、グループ ポリシーの概念と管理に関する理解と実践的な知識が必要です。Windows グループ ポリシーの概念とその使用法、および更新メカニズムの一般的情報については、グループ ポリシー管理コンソールのオンライン ヘルプの内容を参照してください。

think-cell固有の構成オプションは、think-cell.admx管理テンプレート ファイルに記述されています。これは、think-cell のインストール ディレクトリのサブディレクトリadmin-policy-templatesにあります。新しいオプションを使用するには、think-cell.admxen-US\think-cell.admlをそれぞれadmin-policy-templatesから%SYSTEMROOT%\PolicyDefinitions%SYSTEMROOT%\PolicyDefinitions\en-USにコピーします

新しいノード think-cell がノード管理テンプレートに次の 2 つの場所で追加されます。コンピューター設定で設定された think-cell 設定は、 でのレジストリのエントリを決定し、

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\
think-cell

ユーザー設定の下に設定された think-cell 設定は、 でのレジストリのエントリを決定します

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Policies\
think-cell

両方の場所で設定を有効にすると、コンピューター設定の設定が優先されます。

ノード think-cell の項目は、グループ ポリシーで制御できる使用可能な設定を示します。各項目には、この項目に使用可能な値の説明があります。

ターミナル サーバーでのアクセス管理にグループ ポリシーを使用する方法

グループ ポリシーを使用して、個々のユーザーのグループに対して think-cell をアクティブ化または非アクティブ化することができます。例えば、think-cell をターミナル サーバーに展開する場合は、ライセンスを受けたユーザーだけが think-cell にアクセスできるようにする必要があります。次のように使用すると、グループ ポリシーによって便利な方法が提供されます。

  1. 1 つのグループ ポリシー オブジェクトを設定して、think-cell を完全に無効にし、それを自分のドメインにリンクします。管理テンプレート think-cell製品アクセス制御設定を適切な値を使って使用してください。
  2. ライセンスされたユーザーのソフトウェアをアクティブにする別のグループ ポリシー オブジェクトを追加します。これもあなたのドメインにリンクされ、無効にした後に適用されます。グループ ポリシー オブジェクトは逆の順序で適用されるため、有効になったオブジェクトはグループ ポリシー管理コンソールのリストの上に表示されます。
  3. グループ ポリシー管理コンソールセキュリティ フィルター処理セクションでは、think-cell のライセンスを持つユーザーに明示的にグループ ポリシー オブジェクトへのアクセスを制限します。
ライセンス キーの配信にグループ ポリシーを使用する方法

グループ ポリシーのもう 1 つの便利な機能は、組織内の think-cell ユーザーに対する think-cell ライセンス キーの一元管理と配布です。ライセンス キーは、ライセンス キー ポリシーで管理されます。

A.2.2.4 リボン

PowerPoint の think-cell グループの既定位置は、イラスト挿入グループ (TabInsert) の後の挿入タブ (GroupInsertIllustrations) にあります。Excel での既定位置は、挿入タブの Excel グラフ挿入グループ (GroupInsertChartsExcel) の後にあります。

Office リボンのカスタマイズに関する詳細情報は、次の場所から入手可能です。

http://www.think-cell.com/ribbon

次のプロパティはインストール時に指定するか、グループ ポリシーPowerPointリボンXMLグループ ポリシーを参照)を使って設定し、PowerPoint内のthink-cellグループをカスタマイズできます。

RIBBONPPTABINSERT
think-cell グループを含む tab 要素の XML 属性を指定します。
RIBBONPPGROUPINSERT
think-cell group 要素の XML 属性を指定します。
RIBBONPPXMLNS
その customUI 要素に対して、追加の XML 名前空間属性を指定します。
RIBBONPPDONOTTOUCHBUILTINRIBBON
=1に設定されている場合は単一の「think-cell」グループのみを配置でき、内蔵タブに追加のthink-cellリボン要素を配置することはできません(たとえば、[挿入] タブの「think-cellデータ」グループ)。

Excelのthink-cellグループは、RIBBONXLTABINSERTRIBBONXLGROUPINSERTRIBBONXLXMLNSRIBBONPPDONOTTOUCHBUILTINRIBBONのプロパティ、またはExcelリボンXMLグループ ポリシーを使用して同様にカスタマイズできます。

注記:これらのパラメーターはすべて setup.msi と setup.exe に適用されます。

id がない場合、idMso または idQ 属性が RIBBONPPTABINSERT プロパティを使用して指定され、think-cell グループは挿入タブに配置されます。同様に、id または idQ がない場合、RIBBONPPGROUPINSERT プロパティを使用して属性が指定され、think-cell グループの一意のローカル ID が自動的に生成されます。さらに、RIBBONPPGROUPINSERT プロパティを使用してラベルが指定されない場合、ラベル think-cell が使用されます。

例えば、セットアップ コマンド ラインへの次のオプションは、think-cell グループをビルトイン ホーム タブの後に配置された新しいユーザー定義タブに配置します。

RIBBONPPTABINSERT="id=""TabNew"" label=
""My New Tab"" insertAfterMso=""TabHome"""

注記:XML スニペットの引用符文字列は、セットアップ コマンド ラインでプロパティを指定する場合は二重引用符で囲む必要があります。

または、次のオプションをセットアップ コマンド ラインに追加すると、think-cell グループがフォント グループの後のビルトイン ホーム タブに配置され、グループにラベルが付けられます。

RIBBONPPTABINSERT="idMso=""TabHome"""

RIBBONPPGROUPINSERT="insertAfterMso=
""GroupFont"" label=""think-cell"""

idQ 属性を使用して、think-cell グループとタブの両方に限定識別子を指定できます。限定識別子に必要な名前空間は、RIBBONPPXMLNS プロパティを使用して指定できます。

例えば、次の 2 つのオプションをセットアップ コマンド ラインに追加するとユーザー定義タブ TabUser に think-cell グループが配置されます。これは、名前空間 http://example.com/ribbon を使用して限定され、挿入タブの前に配置されます。

RIBBONPPXMLNS="xmlns:ribbon=
""http://example.com/ribbon"""

RIBBONPPTABINSERT="idQ=""ribbon:TabUser""
label=""My User Tab""
insertBeforeMso=""TabInsert"""

限定識別子は、いくつかのアドインまたはテンプレートが PowerPoint リボンをカスタマイズする場合に役立ちます。例えば、複数のアドインで同じ限定 ID を使用してタブを指定すると、単一のユーザー定義タブが作成され、各アドインでこの共通のユーザー定義タブ内にグループを配置できます。think-cell グループの限定識別子を指定すると、他のアドインまたはテンプレートでグループを think-cell グループに関連付けることができます。同様に、think-cell グループは、限定識別子を使用して、他のアドインまたはテンプレートのグループに対して関連付けることができます。例えば、次のオプションは、think-cell グループに対して限定識別子を指定し、ユーザー定義グループに関連させて配置します。

RIBBONPPXMLNS="xmlns:ribbon=
""http://example.com/ribbon""
xmlns:special=
""http://example.com/special"""

RIBBONPPGROUPINSERT="
idQ=""ribbon:GroupThinkCell""
insertAfterQ=""special:GroupSpecial"""

アドインやテンプレートの読み込み順序は、PowerPoint リボンのカスタマイズに影響する場合があることにご注意ください。上記の例で、special:GroupSpecial グループを作成するアドインが think-cell アドインの後に読み込まれた場合、special:GroupSpecial に関連づけた配置は効果を持ちません。読み込みの順序を常に制御することはできません。相対的な配置を必要とするユーザー定義グループのペアは、両方とも互いに対して相対的な位置に配置することを推奨します。これにより、最後にロードされたグループのいずれかが、他のグループに対して相対的な位置に正しく配置されます。上記の例では、special:GroupSpecial グループの XML コードに think-cell グループの限定識別子を参照する insertBeforeQ 属性が含まれている必要があります。

A.2.3 macOSでのインストール

think-cellのインストールファイル「setup_*.pkg」はインタラクティブに使用できます。もしくは標準のinstallerコマンドを使用してインストールのスクリプトを作成できます。ドメインLocalSystemのみターゲットとして使用できます。すなわち、すべてのユーザーがマシンでthink-cellを常に使用できます。

管理設定および構成パラメーターは、com.microsoft.office優先ドメインに保存されます。利用可能な設定とそのキーおよびタイプの概要については、構成パラメーターを参照してください。

例えば、ファイルをインストールするためにinstallerを呼び出すものと同じスクリプトに次のようなラインを追加して、think-cellのあらゆるインストールに貴社のライセンス キーを展開したいとします。setup_*.pkg

defaults write com.microsoft.office com.think-cell.settings.licensekey -string "ABCDE-..."

注記defaultsを使用してdict値キーのサブキーの値を変更する場合は(例えば、com.think-cell.settings.reportsキーのenabledサブキー)、次の例のように-dict-addの後でkey -type valueトリプルのリストの一部として、そのサブキーを指定する必要があります。

defaults write com.microsoft.office com.think-cell.settings.reports -dict-add enabled -bool true

詳細な情報については、defaultsの「man」ページを参照してください。

注記:以前のバージョンでは、think-cellの構成設定はthink-cellインストール ディレクトリのconfig.plistファイルに保存されていました。この設定展開方法は廃止されており、今後のバージョンでは削除される可能性があります。config.plistファイルに書き込んで構成設定を展開する場合は、今後のthink-cellのバージョンとの互換性を確保できるようこれらの設定をcom.microsoft.office優先ドメインに移動することをお勧めします。キーのパスとタイプについては、構成パラメーターを参照してください。

A.2.3.1 インストールされたファイル

think-cellが以下のディレクトリにインストールされます:

/Library/Application Support/Microsoft/think-cell

think-cellでは以下のアイテムが必要です。これらはインストール ディレクトリ内に作成されます。

  • NOTICE.txt(含まれるコンポーネントの必須通知)
  • ppttc(JSONを使用する自動化のスキーマおよびサンプル)
  • styles(カスタマイズ向けのスタイル ファイルおよび追加の例)
  • tcaddin.plugin(PowerPointとExcelで動作するアドイン)
  • xml-schemas(think-cellスタイル ファイルのスキーマ)

A.2.3.2 macOSで管理された展開

Jamf ProまたはMicrosoft Intuneのようなデバイス管理ソリューションを使用してthink-cellを展開・構成することもできます。

構成設定を展開する最も簡単な方法は、適切なキー値のペアを含む.plistファイルを作成することです。これを管理ソリューションにアップロードして、com.microsoft.office優先ドメインをターゲットにします。詳細な方法については以下のようなJamfおよびIntuneのドキュメントを参照してください。

以下は、利用可能な一部の設定を構成する.plistファイルの例です。詳細なリストについては、構成パラメーターを参照してください。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN" "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
<plist version="1.0">
<dict>
	<key>com.think-cell.settings.licensekey</key>
	<string>AAAAA-BBBBB-CCCCC-DDDDD-EEEEE</string>
	<key>com.think-cell.settings.reports</key>
	<dict>
		<key>enabled</key>
		<true/>
	</dict>
	<key>com.think-cell.settings.stockimages</key>
	<dict>
		<key>DisableBrandfolder</key>
		<true/>
		<key>DisableCanto</key>
		<true/>
		<key>DisableGetty</key>
		<true/>
	</dict>
</dict>
</plist>

注記:Intuneを使用する場合は、.plistファイルを編集してからアップロードする必要があります。これにより、周囲の<?xml><!DOCTYPE><plist>、(最も外側の)<dict>タグなしでキー値ペアのみが含まれるようにします。上記の例のIntuneのバージョンは次のようになります。

<key>com.think-cell.settings.licensekey</key>
<string>AAAAA-BBBBB-CCCCC-DDDDD-EEEEE</string>
<key>com.think-cell.settings.reports</key>
<dict>
	<key>enabled</key>
	<true/>
</dict>
<key>com.think-cell.settings.stockimages</key>
<dict>
	<key>DisableBrandfolder</key>
	<true/>
	<key>DisableCanto</key>
	<true/>
	<key>DisableGetty</key>
	<true/>
</dict>

A.2.4 最初のスタート

think-cell をインストール後、初めて PowerPoint を起動すると、ライセンスキーを入力するダイアログが表示されます。

構成パラメーター licensekey を使用すれば、インストール中にライセンス キーを指定することや、あらかじめライセンスキーを一元展開することができます (「構成パラメーター」を参照)。

また、初回起動時にリボンが [挿入] タブに切り替わります。[挿入] タブには think-cell グループが表示されます。チュートリアルが含まれたウェブページも表示されます。いずれの操作も構成パラメーター nofirststart で抑制できます (「構成パラメーター」を参照)。

A.2.5 ブラウザー拡張機能

think-cellには、Tableauデータ機能を有効にし、画像をWebからPowerPointにインポートするためのブラウザー拡張機能が付いています。この拡張機能は、Google Chrome、Microsoft Edge、およびMozilla Firefoxでご利用いただけます。

think-cellがインストールされている場合、ChromeとEdgeではこの拡張機能が自動的にインストールされます。ただし、この方法でインストールされた拡張機能は、ユーザーが手動で有効にする必要があります(ブラウザー拡張機能のインストールを参照)。

このユーザーによる操作を回避するため、サポートされているブラウザーの管理ポリシーを使用してthink-cellブラウザー拡張機能のインストールを明示的に管理するようお勧めします。特に、think-cellユーザー向けにthink-cellとともに拡張機能を強制的にインストールし、他の人向けのインストールをブロックするよう推奨します。think-cellがマシンごとにインストールされており、ユーザー全員がthink-cellにアクセスできない場合(ターミナル サーバーなど)はなおさらです(ターミナル サーバーでのアクセス管理にグループ ポリシーを使用する方法と比較)。

次の表は関連のある情報を要約しています。

ブラウザー Chrome Edge Firefox
拡張ID ppcdkdcafnbklehdngbhmhpidandcjke pmpompicahgikemojmmcobiceeejbcmb {7166074E-49FE-4BC8-9006-27A0D5F8A6B8}
一般的な手順 管理対象PCでChrome Browserポリシーを設定 エンタープライズでMicrosoft Edge拡張機能を管理 policies.jsonを使用してFirefoxをカスタマイズ /
グループ ポリシーを使用してFirefoxをカスタマイズ(Windows) /
Microsoftエンドポイント マネージャーでFirefoxを管理(Intune) /
macOSデスクトップでポリシーを管理
強制インストール ExtensionInstallForcelist ExtensionInstallForcelist ExtensionSettings
"installation_mode: "force_installed",
"install_url": "https://addons.mozilla.org/firefox/downloads/latest/think-cell/latest.xpi"
ブロック ExtensionInstallBlocklist ExtensionInstallBlocklist ExtensionSettings
"installation_mode: "blocked"

A.3 継続的なメンテナンス

A.3.1 手動でのthink-cell更新プログラムの制御

think-cell アプデートを手作業で制御する場合は、PowerPoint とExcel を対象としたMicrosoft 自動アップデートを無効にする必要があります。Microsoft の更新プログラムの展開はユーザーによって制御されます。MicrosoftによるOfficeの自動更新がオンに設定されている場合、think-cellの更新をオフに設定することはできません。この場合、think-cellによって更新がダウンロードされ、かつインストールされます。

Microsoft による Office の自動更新をオフに設定した場合や Office の更新プログラムをお使いのサーバーにダイレクトした場合、構成パラメーター経由で think-cell の更新をオフに設定できます (「構成パラメーター」を参照)。

この場合、PowerPoint と Excel を起動したとき、think-cell はそのアップデートが使用可能かどうかチェックしません。当社に連絡し、当社サーバーの設定を通じて自動アップデートを無効にするよう要請することも可能です。この場合、アップデートをチェックすることはできますが。当社からは、利用可能なアップデートはありませんという返答になります。

注記:エラーが発生すると、think-cell は修正済みの更新プログラムについて通知し、ウェブサイトのページに配信します (エラー報告を参照)。

think-cell の自動更新がオフに設定されている場合、PowerPoint と Excel の更新時に毎回、think-cell の互換性を手作業で確認する必要があります。チェックを効果的に行うには以下を実行します。

  1. PowerPoint を起動する
  2. グラフを挿入する
  3. データシートが開くのを待機し、数字を変更する
  4. 変更がグラフに反映されているのを確認する

以上の手順のどこかで失敗があれば、対策を講じる必要があります。当社ウェブサイトから入手可能なthink-cell の現行バージョンは通常、デプロイする Microsoft アップデートに対応しています。そのため、think-cell の現行バージョンのテストを繰り返し行うこと、および Microsoft アップデート実行の前か、または同時にデプロイを開始してください。

各Microsoft アップデートとthink-cell のテストは任意ではありません。組織内でthink-cell を使用する人にとって、テストは重要な作業の1つです。think-cell の自動更新がオンに設定されている場合、このテストは不要です。

ユーザーが最新の改良版を最大限活用できるよう、think-cell アップデートを定期的にデプロイする必要があります。当社では、最低2、3か月に1回のアップデートを推奨しています。

A.3.2 所有サーバーでのthink-cell更新プログラムのホスト

更新は通常、think-cell のウェブ サーバーでホストされますが、貴社のイントラネット内で更新をホストするオプションもあります。これを行うには、組織内のすべての think-cell ユーザーがアクセスできる Apache または Microsoft Internet Information Server (IIS) などの Web サーバーが必要です。次のファイルは、更新プログラムをホストしている Web サーバーに配置する必要があります。

  • 通常 update.xml と呼ばれる、更新プロセスを制御する XML テキスト ファイル。更新 XML ファイル形式の説明については、以下をご参照ください。
  • think-cell が提供する 1 つ以上の setup_think-cell_<version>.exe 更新ファイル。

Webサーバーに必要なファイルを配置した後、更新 XML ファイルの場所を指定する構成パラメーターを使用します (「構成パラメーター」を参照)。例:

https://example.com/update.xml

更新 XML ファイルにはシナリオのリストが含まれている必要があります。各シナリオは条件一式とセットアップ ファイルに対応する URL で構成されています。条件が満たされている最初のシナリオは、クライアントがダウンロードおよびインストールするファイルを決定します。マシン名またはユーザー名のリストなどの条件を適用すると、個々のユーザーがそれぞれ異なる更新を受け取ることができます。例えば、新しいプログラム バージョンを組織全体でロールアウトする前に、小規模なパイロット ユーザー グループに最初に配布できます。

Windows:以下の例には、WQLクエリを使用するXMLファイルの複雑な更新が示されています。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?> 
<root> 
  <CUpdateInfo id="1"> 
    <m_vecupdscen length="2"> 
      <!-- list of 2 different update scenarios --> 
      <!-- First scenario: the group of pilot 
           users. --> 
      <!-- This scenario is evaluated first, 
           and if it is executed, the 
           second scenario is skipped. --> 
      <elem> 
        <!-- Update file of this scenario: 
             The pilot group receives 
             think-cell build 17950 --> 
        <m_bstrFile>https://example.com/setup_17950.exe 
        </m_bstrFile> 
        <!-- List of 2 conditions that must 
             _all_ be met to install the 
             file --> 
        <m_vecupdcond length="2"> 
          <elem> 
            <!-- WQL query that an earlier build 
                 of think-cell is installed. The 
               query searches the local WQL 
                 database (not the network). 
                 Thus it will either return one 
                 product record, if an older 
                 product is installed, or none 
                 otherwise. --> 
            <m_bstrQuery>select * from 
              Win32_Product where 
              Name='think-cell' and 
              Version&lt;'1.17.950.0' 
            </m_bstrQuery> 
            <!-- The number of returned records 
                 is now numerically compared: 
                 -2 stands for less than, 
                 -1 for less or equal; 
                 0 for equal; 
                 1 for greater or equal; 
                 2 for greater than --> 
            <m_eupdcondop val="0"/> 
            <!-- Compare to numerical value 1 --> 
            <m_nCount val="1"/> 
          </elem> 
          <elem> 
            <!-- WQL query that the computer system is 
                 named ANNA, TOM or FRANK (the group 
                 of pilot users). Again, the query is 
                 executed locally, returning either one 
                 computer system (the one the query is 
                 running on) or none. --> 
            <m_bstrQuery>select * from 
              Win32_ComputerSystem where 
              Name='ANNA' or Name='TOM' 
              or Name='FRANK'</m_bstrQuery> 
            <!-- number of returned records equal to 1 --> 
            <m_eupdcondop val="0"/> 
            <m_nCount val="1"/> 
          </elem> 
        </m_vecupdcond> 
      </elem> 
      <elem><!-- Second scenario: all other users. --> 
        <!-- All other users receive think-cell 
             build 17883. --> 
        <m_bstrFile>https://example.com/setup_17883.exe 
        </m_bstrFile> 
        <!-- List of 1 condition that must be met to 
             install the file --> 
        <m_vecupdcond length="1"> 
          <elem> 
            <m_bstrQuery>select * from 
              Win32_Product where 
              Name='think-cell' and 
              Version&lt;'1.17.883.0'</m_bstrQuery> 
            <!-- number of returned records equal to 1 --> 
            <m_eupdcondop val="0"/> 
            <m_nCount val="1"/> 
          </elem> 
        </m_vecupdcond> 
      </elem> 
    </m_vecupdscen> 
  </CUpdateInfo> 
</root>

ファイル内の条件は Windows Management Instrumentation クエリ言語 (WQL) に書き込まれ、関連するすべてのシステム パラメーターにアクセスできます。WQL に関する詳細は、次をご覧ください。

http://www.think-cell.com/wql

バージョン番号を比較して更新を管理することを希望する場合は、この例に従ってください。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?> 
<root> 
  <CUpdateInfo id="1"> 
    <m_vecupdscen length="1"> 
      <elem> 
        <m_bstrFile 
      val="https://example.com/setup_26388.exe"/> 
        <m_bstrDescription/> 
        <m_vecupdcond length="2"> 
          <elem> 
            <version/> 
            <m_eupdcondop val="1"/> 
            <m_nCount val="26000"/> 
          </elem> 
          <elem> 
            <version/> 
            <m_eupdcondop val="-2"/> 
            <m_nCount val="26388"/> 
           </elem> 
        </m_vecupdcond> 
      </elem> 
    </m_vecupdscen> 
  </CUpdateInfo> 
</root>

現在のビルド番号が 26000 以上 (val="1")、26388 未満 (val="-2") の場合、更新条件が満たされます。

A.3.3 ライセンス キーの有効期限切れに関する通知

think-cell はライセンス キーを必要とし、ライセンス キーの有効期限日まで使用することができます。

有効期限日が 14 日以内に到来する場合、PowerPoint または Excel の起動ごとに有効期限日が近づいていることがユーザーに通知されます。

ライセンス キー ダイアログを使ってユーザーに通知します。ライセンス キーの期限が切れていない場合、「The license key of this think-cell product will expire soon. You should enter a new license key」 (この think-cell 製品のライセンス キーはまもなく期限切れとなります。新しいライセンス キーを入力してください) という メッセージが期限と共に表示されます。ユーザーには次の選択肢があります。

  • 新しいライセンス キーを入力して OK をクリックします。
  • キャンセルをクリックしてダイアログを閉じます。
  • アンインストールをクリックして think-cell をアンインストールします。

有効期限がすでに過ぎている場合は、「The license key of this think-cell product has expired. Please enter a new license key」 (この think-cell 製品のライセンス キーは期限が切れています。新しいライセンス キーを入力してください) という メッセージが表示されます。ただし、有効なライセンス キーを入力しないと [OK] をクリックすることができなくなります。キャンセルを使用してダイアログを閉じると、think-cell は非アクティブ化されたままです。

ライセンス有効期限ダイアログが表示されないようにするには、有効期限の 14 日以上前に新しいライセンス キーを注文して有効にしてください。新しいライセンス キーは、古いライセンス キーの有効期限が過ぎる以前であっても常に有効です。したがって、新しいライセンス キーは、使用可能になるとすぐに展開する必要があります。

A.3.4 インターネット上で送信される情報

think-cellは時々、自動更新を使用する場合や、新しいバージョンが最初に導入される際に新しい機能のリストを表示する場合などに、インターネット上で情報を送信することがあります。現在のインストールに関する一部の情報は、当社のサーバーからの適切な応答を可能にするために送信されます。

リクエストごとに以下の情報が送信されます。

  • プログラム ビルド(5桁の数字、[情報] ダイアログでも参照可能)
  • ライセンス キー
  • 匿名のグローバル一意識別子(GUID)は、複数のリクエストを関連付けるために使用されます。GUIDは初めてthink-cellを使用する際に作成され、ユーザーの設定とともに保管されます。これはランダムな文字列で、コンピューターやユーザー、作成時のドキュメントとは関係ありません、GUIDを使用する場合は、2つのリクエストが同じユーザーのものか、異なるユーザーのものかどうかのみを判断できます。
  • 日付と時間
  • Microsoft WindowsおよびMicrosoft Officeインストールのバージョン番号
  • cpuinfo(32ビットまたは64ビット、MMXおよびAVXサポート)
  • 更新レベル(無効/有効/強制)

当社のサーバーとのあらゆる通信は、最先端の技術と暗号化(HTTPS)によって保護されています。

エラー レポートが有効な場合は、次のセクション(エラー報告)で説明されているように追加情報が送信されます。

A.3.5 エラー報告

think-cell はソフトウェアのプロフェッショナルな使用を可能にする主要要因として、安定性と堅牢度のご提供に最善の努力を傾けています。think-cell をご使用中にエラーが発生した場合、当社の問題解決に役立つ報告書をソフトウェアが自動で作成し、次回更新時に修正を行います。

報告されたエラーに対応するthink-cell の更新バージョンは、報告の時点ですでに利用可能な場合があります。この場合、更新プログラムは自動的にインストールされます (ダウンロードと更新プログラムのインストールの詳細は自動更新を参照)。think-cellの更新プログラムを手動で制御する場合 (手動でのthink-cell更新プログラムの制御を参照)、更新プログラムをダウンロードし、手動でインストールできます。

自動的に作成されるレポートには、次の情報が含まれます。

  • インターネット上で送信される情報に一覧表示されている基本的な情報、
  • オペレーティング システム、PowerPoint または Excel、またはthink-cell 自体からのエラー コード、
  • エラーが発生したソースコード内の場所 (ファイル名と行番号)、
  • Microsoft ミニダンプ。これは基本的にオペレーティングシステムのバージョンやロードされたモジュールなどの環境情報に従ったスタック トレースです。マイクロソフトはエラー報告を送信するときに同じミニダンプを使用し、

エラー レポートは、HTTPS 経由で think-cell サーバーに送信されます 送信されたすべての情報のうち、基本的にメモリ コンテンツであるミニダンプだけが実際のスライド コンテンツの断片を含む可能性があります。しかし、その操作において、think-cell は実際のスライド コンテンツを保存することはありません。テキストや画像の保存は完全に PowerPoint に任されています。したがって、think-cell によって使用されるメモリのミニダンプには機密情報が含まれることはほとんどありません。

自動エラー報告は、構成パラメーター (「構成パラメーター」を参照) 経由で有効または無効に設定できます。

トラブルシューティングと重大なエラー

重大なエラーが発生した場合、ユーザーはサポート依頼をするかどうか尋ねられます。

think-cell 重大なエラーへのサポート依頼ダイアログ.

この種のサポートの依頼は、手動でも送信できます (「トラブルシューティング」を参照)。サポートリクエスト用の既定の電子メールアドレスは構成パラメーター経由で変更できます (「構成パラメーター」を参照)。

A.3.6 ストックイメージプロバイダー

イメージプロバイダーの制限

それぞれの構成パラメーターを使用して、会社で使用されていないストックイメージプロバイダーを無効にすることができます。すべてのプロバイダーが無効になっている場合、ストックイメージは[要素]メニューから削除されます。

Windowsでグループ ポリシーを使用する場合は(グループ ポリシーを参照)、[ストック画像:その他のプロバイダー ポリシーに進んでください [Cantoの無効化]、[Getty Imagesの無効化]、[Pexelsの無効化]、[Unsplashの無効化] を [はい] に設定してイメージ プロバイダーを無効にするか、[いいえ] に設定して有効なままにできます(既定)。また、ストック画像:Brandfolder ポリシー全体を [無効] に設定してBrandfolderを無効にすることもできます。

Windowsでコマンド ライン パラメーターを使用する場合(Windowsでのインストールを参照)、インストール コマンド ラインにSTOCKIMAGESDISABLEBRANDFOLDER=1STOCKIMAGESDISABLECANTO=1STOCKIMAGESDISABLEGETTY=1STOCKIMAGESDISABLEPEXELS=1、またはSTOCKIMAGESDISABLEUNSPLASH=1を追加すると、そのイメージ プロバイダーが無効になります。

Macでdefaultsを使用する場合は(macOSでのインストールを参照)、以下のコマンドですべてのイメージ プロバイダーを無効にできます。

defaults write com.microsoft.office com.think-cell.settings.stockimages -dict-add DisableBrandfolder -bool true DisableCanto -bool true DisableGetty -bool true DisablePexels -bool true DisableUnsplash -bool true

.plistファイルをデバイス管理ソリューションにアップロードする際(macOSで管理された展開を参照)、次のスニペットを含めると、あらゆるイメージ プロバイダーが無効になります。

<key>stockimages</key>
<dict>
	<key>DisableBrandfolder</key>
	<true/>
	<key>DisableCanto</key>
	<true/>
	<key>DisableGetty</key>
	<true/>
	<key>DisablePexels</key>
	<true/>
	<key>DisableUnsplash</key>
	<true/>
</dict>

特定のイメージ プロバイダーを有効なままにするには、そのプロバイダーのtruefalseに変更します。

Brandfolder API キー

イメージプロバイダー Brandfolder を使用する場合、API キーを使用して認証が行われますので、構成パラメーターで think-cell ユーザーにキーを配布する必要があります。API キーを取得するには、Brandfolder プロファイルにログインし、[インテグレーション] を開いて [API キー] で API キーを確認します。この長い文字列をコピーして貼り付けることをお勧めします。

Windowsでグループ ポリシーを使用する場合は(グループ ポリシーを参照)、[ストック画像:] [Brandfolder] ポリシーに移動し、 Brandfolder APIキーの値をAPIキーに設定します。

Windows のコマンドラインパラメーターを使用する場合(Windowsでのインストールを参照)、STOCKIMAGESBRANDFOLDERAPIKEY=ABCDE... を API キーに置換して、インストレーションコマンドラインに ABCDE... を追加します。

Macでdefaultsを使用する場合は(macOSでのインストールを参照)、次のコマンドがABCDE...をAPIキーに置き換えた後、Brandfolder APIキーを設定します:

defaults write com.microsoft.office com.think-cell.settings.stockimages -dict-add BrandfolderAPIKey -string "ABCDE..."

.plistファイルをデバイス管理ソリューションにアップロードする際(macOSで管理された展開を参照)、次のスニペットを含めると、ABCDE...がお使いになっているAPIキーに置き換わった後、Brandfolder APIキーが設定されます。

<key>stockimages</key>
<dict>
	<key>BrandfolderAPIKey</key>
	<string>ABCDE...</string>
</dict>

Brandfolderストックイメージ ダイアログ

イメージ プロバイダーBrandfolderを使用する場合は、ストックイメージのダイアログをさらに構成できます。フォルダーが1つしかない場合は、フォルダーのドロップダウンが自動的に非表示になるオプションを有効にできます。[Brandfolderコレクション] と [Brandfolderセクション] ドロップダウン リストの双方で、ドロップダウンを表示するか、[すべて] 設定なしで表示するか、非表示にするか、[すべて] を暗黙に示すか選択します。

Windowsでグループ ポリシーを使用する場合は(グループ ポリシーを参照)、[ストック画像:[Brandfolder] に移動して、各オプションを設定します。

Windowsでコマンド ラインのパラメーターを使用する場合は(Windowsでのインストールを参照)、STOCKIMAGESHIDESINGLEBRANDFOLDER=1をコマンド ラインに追加して、フォルダーが1つしかない場合にドロップダウン リストを自動的に非表示にします。STOCKIMAGESHIDEBRANDFOLDERCOLLECTIONS=0を追加すると [Brandfolder コレクション] ドロップダウン リストを表示し、=1を追加するとリストは表示されますが [すべて] が削除され、=2を追加するとドロップダウン リストが非表示になります。STOCKIMAGESHIDEBRANDFOLDERSECTIONS設定も同じ方法で [Brandfolderセクション] ドロップダウン リストをコントロールします。

Macでdefaultsを使用する場合は(macOSでのインストールを参照)、以下のコマンドを起点として使用できます。HideSingleBrandfolderの値はtrueまたはfalseにできます。HideBrandfolderCollectionsHideBrandfolderSectionsのどちらでも、以下の値を使用できます。0はドロップダウン リストを表示し、1ではドロップダウン リストは表示されるものの [すべて] が削除され、2はドロップダウン リストを非表示にします。

defaults write com.microsoft.office com.think-cell.settings.stockimages -dict-add HideSingleBrandfolder -bool false HideBrandfolderCollections -int 1 HideBrandfolderSections -int 2

.plistファイルをデバイス管理ソリューションにアップロードする場合(macOSで管理された展開を参照)、次のスニペットを含めると同じ設定が構成されます:

<key>stockimages</key>
<dict>
	<key>HideSingleBrandfolder</key>
	<false/>
	<key>HideBrandfolderCollections</key>
	<integer>1</integer>
	<key>HideBrandfolderSections</key>
	<integer>2</integer>
</dict>

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