15. テキストボックス

本章では、think-cellのテキストボックスを使って、表など複雑なスライド レイアウト (レイアウトの導入:のサンプル) を作成する方法を説明します。

ここでは、think-cell のテキスト ボックスの使用方法、すなわちスライドを作成するためにテキスト ボックスを挿入、位置合わせ (スナップ)、複製、削除、移動、変更する方法を身に付けていただきます。次に、これらのアクションを使って簡単に上のサンプルを実際に作成します。当然のことですが、さらに複雑で異なったレイアウトも作成可能ですが、その場合でもエレメント、手作業による配置、不要な箇所のサイズ変更などの関連アクションで簡単に実行できます。
think-cell のテキスト ボックス内のテキストの編集や書式変更は、 PowerPoint と同じ方法です。ただし、think-cell のテキスト ボックスは、PowerPoint のテキスト ボックスとは配置とレイアウトが異なりますのでご注意ください。think-cell のテキスト ボックスには、あらかじめ設定された固定サイズはなく、スライド上にあらかじめ設定された固定位置もありません。代わりに、think-cell のテキスト ボックスは、テキスト入力、エレメントの追加、既存エレメントの移動の際にそれらを動的に調整します。このプロセスにおいて、think-cell のテキスト ボックスは常にスライド上の他の要素との関係を維持します。
think-cell は、スライドのエレメントをバランス良く自動配置します。このように、スライドのエレメントの位置変更後に各エレメントのサイズや位置を手作業で再調整する必要はありません。
- 15.1
- テキスト ボックスの挿入と位置合わせ (スナップ)
- 15.2
- テキスト ボックスの複製
- 15.3
- テキスト ボックスの削除
- 15.4
- テキスト ボックスの移動
- 15.5
- テキスト ボックスの位置合わせ (スナップ) 解除または位置合わせ (スナップ) リンクの変更
- 15.6
- 複数テキスト ボックスに対して同じサイズを設定する方法
- 15.7
- 複雑なサンプルの作成
- 15.8
- 要素の固定サイズまたはロック位置の設定
15.1 テキスト ボックスの挿入と位置合わせ (スナップ)
空白のスライドから作業を開始すると仮定します。まず、テキスト ボックスの挿入方法とテキスト ボックスをまとめて位置合わせ (スナップ) する方法から説明いたします。
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PowerPoint のリボンでグループ [think-cell] グループにアクセスし、
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スライドを1回クリックして、最初のテキストボックスを挿入します。
ボックスはスライドの中央に自動的に配置されます。この位置は、スライド最後の段階で表示されるボックスの位置ではありませんが心配する必要はありません。スライドの作成を進めると、ボックスの位置とサイズはスライドに入力されたテキストや他のエレメントに動的に調節、変更されます。
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テキストを入力します。
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ボックスをクリックし、think-cell のフリー ツールバーを使用してボックスに塗りつぶしの色を加えることもできます。
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これで 2 つのボックスが一緒にスナップされました。

think-cell のスナップされたテキスト ボックスは、コンテンツとデザインが変更されてもリンクされたままという利点があります。テキストを入力すると、ボックスの位置と配置は継続的に調整されます。
行または列にすでに配置されたテキスト ボックスを有するスライドがあって、別のテキスト ボックスを挿入して表を作成する場合は以下を実行します。新しいボックスを挿入する際、何個のテキスト ボックスと新しいボックスをスナップするかを決定します。
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リボンの
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マウスのカーソルをスライドのテキスト ボックスの列方向に移動させます。オレンジの挿入フレームがマウスの位置によって変わることを確認します。
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いずれかのボックスの中央の上にマウスのカーソルを近づけると、スナップの対象がこのボックスのみとなります。
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スナップの対象を隣接する 2 つのボックスにする場合は、2 つのボックスの結合した幅の中央より少し上にマウスを合わせます。
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行の全幅にスナップする場合は、中央のボックスの少し上にマウスを合わせます。
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いずれかのボックスの中央の上にマウスのカーソルを近づけると、スナップの対象がこのボックスのみとなります。
- 新しいテキスト ボックスを挿入する場合は、1 回クリックします。するとそのボックスは下の 3 つのテキスト ボックスと共にまとめてスナップします。

ご覧の通り、think-cell のテキスト ボックスをまとめて位置合わせ (スナップ) すると簡単に表を作成できます。PowerPoint の図とは異なり、この表の構造は、スライドでコンテンツを追加、または他のエレメントを変更しても保存されます。
また、挿入したテキスト ボックスの外縁のみをスライド上の既存のボックスにスナップすることもできます。これにより新しいボックスは他のボックスとは切り離して配置されますが、他のボックスと同じ幅を保持します。
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- 左縁にスナップしながらマウスのボタンをクリックし、そのまま長押しします。
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挿入フレームをスナップする同様のラインが表示されるまで表の右縁の下にマウスを移動します。
- マウス ボタンから手を放します。
これで新しいテキスト ボックスの外縁が上のオブジェクトにスナップされました。いずれか1つの幅が変更されると、もう 1 つのサイズもそれに合わせて変更されます。
15.2 テキスト ボックスの複製
think-cell のテキスト ボックスの挿入とスナップを確認しましたので、次はテキスト ボックスをコピーする方法を確認します。テキスト ボックスをコピーする方法がいくつかありますが、その大半はPowerPoint の図でよく使われるオプションによく似ています。
- think-cell のテキスト ボックスを選択し、Ctrl+D を押すと、テキスト ボックスを複製できます。複製されたボックス用のなじみのあるオレンジの挿入フレームが表示されます。このフレームは、好きな位置合わせ (スナップ) 位置に移動できます。挿入する場合は1回クリックします。
- Ctrl+C and Ctrl+V を使用すると、選択したテキスト ボックスのコピーを挿入できます。
- PowerPoint で使用されているもう 1 つのオプションが、選択したテキスト ボックスのフレームを右クリックしてドラッグする方法です。ドロップして希望の位置に複製したテキスト ボックスを配置する方法です。
- Ctrl を押したまま、マウスの左ボタンでドラッグすると、同じように複製することができます。
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最後に紹介するのは、テキスト ボックスを選択すると表示される小さな
15.3 テキスト ボックスの削除
個別のテキストボックスまたはすべての行や列を削除する場合は、削除対象を選択または一括選択して (「マルチ選択」を参照)、Deleteキーを押します。選択項目を右クリックし、think-cell のコンテキスト メニューの赤い
15.4 テキスト ボックスの移動
次に既存のテキスト ボックス(または選択した複数のテキスト ボックス)を別の位置に移動する方法を確認します。確認するには以下の手順を実行します:
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テキスト ボックスのフレームを左クリックし、それをドラッグします。ここで重要な点は、テキスト ボックス内からではなくそのフレームをクリックすることです。これは、テキスト編集のためにテキスト ボックスを選択するからです。
- テキスト ボックスをクリックして別の位置に移動します。マウスを移動させると、さまざまなスナップ対象が表示されます。
- 希望する位置に進んだときにマウスのボタンを離し、テキスト ボックスをそこにドロップし、スナップします。
また、Ctrl+X と Ctrl+V を使用して、ある位置から別の位置へテキスト ボックスを移動することもできます。
複数のテキスト ボックスを移動する例としては、表の中の列を再整列させる場合があります。列の中のすべてのテキスト ボックスを選択して新しい位置にドラッグすることや、Ctrl+X と Ctrl+V を押して新しい位置を選択することもできます。
15.5 テキスト ボックスの位置合わせ (スナップ) 解除または位置合わせ (スナップ) リンクの変更
さまざまな方法でテキスト ボックスをまとめてスナップする方法を確認しましたので、次はスナップの解除とリンクの変更について確認します。いずれの操作も簡単に行うことができます。テキスト ボックスのスナップを解除するには以下の手順に従います:
- テキストを選択してクリックします。
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ハンドルの1つをクリックします。
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ボックスがスナップされている他の要素からドラッグして離します。
- 必要に応じて他の縁で同じ操作を繰り返してください。
ハンドルを別のスナップ対象にドラッグしてもスナップのリンクを変更することができます。テキスト ボックスを希望する別の位置にスナップする際、グレーのスナップ インジケーターラインが役立ちます。

そのスナップの位置で良ければマウスのボタンから手を離します。
15.6 複数テキスト ボックスに対して同じサイズを設定する方法
複数の要素を選択し、選択した要素のコンテキスト メニューから

エレメントは、同一幅になるようサイズが変更されます。

テキスト ボックスをそれぞれのサイズに戻す場合は、テキスト ボックスの 1 つを選択し、両矢印をクリックして Delete (削除) または ← を押します。
15.7 複雑なサンプルの作成
前述のセクションでは、think-cell のテキスト ボックスの基本的な機能について説明しました。ここでは、最初からテキスト ボックスを使用して、テキスト ボックスが挿入された以下のようなスライドを作成してみましょう。

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リボンボタンの
テキストを入力し、必要に応じて適切な塗りつぶしの色を選択します。なおテキスト入力、書式変更についての具体的な説明は省いています。
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Ctrl を押しながらドラッグし、テキスト ボックスを必要な数だけ複製します。
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見出しとして新しいテキスト ボックスを上に挿入して、下の5つのボックスの全幅にそのボックスをスナップします。
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下方に別のボックスを挿入し、それを副見出しとして上の表の外縁にスナップします。
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Ctrl+Dを押してこのボックスを複製し、下にスナップします。
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PowerPointのボタンを使用して、選択したボックスの中央にテキストを配置します。
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一番上のボックスを右クリックしてドラッグし、それを一番下にコピーします。ご覧の通り、テキスト ボックスの配置はthink-cell が自動的に実行します。手動で移動されたボックスは1つもありません。
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テキスト ボックス間に隙間を作るには、テキスト ボックスのスナップを解除します。
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最後に、列の見出しでテキスト ボックスを複数選択し、選択したテキスト ボックスを右クリックして、コンテキスト メニューから
15.8 要素の固定サイズまたはロック位置の設定
エレメント、コンテンツでスライドを作成後、レイアウトを少し変えたい、またはエレメントの最終位置やサイズを固定することができます。再び、ここでも前述のサンプルを使用して作業していきましょう。エレメントが中央の位置でスライド全体を占めます。

テキスト ボックス間には少しのスペースがあるため、そのサイズを固定してスペースを縮めること、または位置を固定してより大きな余白を作ることができます。
15.8.1 固定サイズの設定
PowerPoint では、Ctrl キーを押したまま、図形の境界線をドラッグすると図形のサイズを変更できます。同じ作業がthink-cell でも可能です:
- マウスですべての要素を選択します。
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テキスト ボックスのサイズに制約を追加するには、Ctrl を押したまま 1 つの隅のハンドルをクリックし、マウスボタンを押したままに ハンドルをドラッグします。
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マウスボタンを離します。
これでテキスト ボックス間のスペースは縮小されましたが、ボックス全体はスライドの中央の位置を変えていません。
Ctrl を押したままをドラッグしてサイズを選択する代わりに、サイズを直接入力することもできます。
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サイズを変更する1つまたは複数の要素を選択します
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Ctrlキーを押しながら、青い境界のハンドルの1つをドラッグして、固定サイズを設定します。
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固定サイズを表す両端矢印をクリックします。
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コントロールに希望のサイズを入力します。
サイズでは、小数点、ミリメートル、インチ、スライド高さまたはスライド幅の分数などが使用できます。
すべてのコンテンツをスライドに加え終わるまで、固定サイズは設定しないほうが良いでしょう。コンテンツに基づく自動サイズ設定を再設定する場合は、両矢印をクリックして Delete (削除) または ← をクリックします。
15.8.2 位置に要素を固定する方法
余白をエレメントの隣に残すには、テキスト ボックスを特定の位置にロックします:
- エレメントをすべて選択します。
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左下隅にある小さな鍵のアイコンをクリックします。
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マウスのボタンを押したまま、エレメント構造の下隅の位置までドラッグします。
- マウスのボタンから手を離し、エレメントをロックし所定の位置に固定します。
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必要に応じて、左、右、または上マージンに対してこれを繰り返します。
すべてのコンテンツをスライドに加え終わるまで、テキスト ボックスをロックしないほうが良いでしょう。ロックを解除し、自動位置調整を再設定するには、閉じたロックを 1 回クリックします。必要に応じて他の閉じられたロックで同じ作業を繰り返してください。