効率的なウォータフォールチャートの作り方

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資料作成は正確に、すばやく、効率的に行い、空いた時間で自分にしかできない仕事を進めていきたい。そんな心構えを持つビジネスパーソンにぜひ知っておいていただきたい、ウォーターフォールチャートの作り方を紹介していきます。

ウォータフォールチャートの作り方は以下の通りです。

1.データ準備

チャートを作成するためのデータを用意します。各月の売上、各部門の利益などが該当します。ここでは売上内訳のデータでチャートを作っていきます。

売上内訳をエクセルなどに記載

2.作図

エクセルやGoogleスプレッドシートなどのツールを使用して、上記で準備したデータを基にチャートを作成します。データを選択した後、チャートメニューからウォータフォールチャートを選びます。

エクセルで作図する場合、「挿入」からグラフ→「ウォータフォール」を選択

以下のチャートが出来上がります。

3.合計設定

ウォータフォールチャートでは、各データポイントの合計を強調表示することが一般的です。これを設定するには、合計を表示したいデータポイントを選択し、「合計」オプションをオンにします。

売上内訳では右端の利益部分が全体の合計値となるので、利益のグラフにオンマウスして「合計として設定」をクリック

すると利益が合計として設定されたチャートが出来上がります。

4.コメント入力

特定のデータポイントについての詳細情報や、データ全体の傾向を説明するためコメントを追加して、完成です。

このように、ウォータフォールチャートは、データの準備から作図、合計設定、コメント入力までの手順で作成できます。

先ほどまでエクセルを使った簡易的なウォーターフォールチャートの作り方を紹介しましたが、より詳細なチャートを作りたい方はthink-cellを使った方法がおすすめです。

セグメントごとの増収比較

ウォータフォールチャートを使用すると、各ビジネスセグメントの収益増加を比較し、どのセグメントが最も成長しているかを視覚的に理解することが可能です。

作り方とイメージ

think-cellをダウンロードして、PowerPointを開きます。

「挿入」→「要素」をクリック

「ウォーターフォール」を選択します。

グラフの表示範囲を決めます。

グラフ右下に表示されるテーブルのアイコンをクリックして、データシートを開きます。

データシートに数値を入力。合計部分にはeと入力します。

データシートからPowerPointに戻るとこのようなグラフが表示されます。

グラフをクリックして上下を反転させます。

全社計を左クリック、グラフの差別化をして合計値を見やすくします。

グラフ全体をクリックして、数値のフォントを大きくしてみます。

マイナスの数値がわかりにくいので、数値をクリックして記号を付けます。

コメントを挿入したいときは要素からテキストボックスを選択します。

タイトルやコメント欄をつけて詳細情報を記載しましょう。

プロジェクトごとの売上予測

売上予測の進行状況を追跡したり、個々のプロジェクトの予測売上への貢献度を確認したりするのに役立ちます。

作り方とイメージ

以下のようにデータを用意して売上計画のウォーターフォールチャートを制作

適宜コメント欄で詳細を入力します。

会社のP/L可視化

利益と損失(P/L)を一目で理解できる形で表示し、収益、コスト、利益の変動を明確に示します。

作り方とイメージ

このように、コメント欄や図形を使いながら見やすいチャートを作っていきましょう。

プロダクトやポートフォリオのP/L可視化

個々の製品やポートフォリオの財務パフォーマンスを視覚的に表示し、どの製品が最も利益を生み出しているか、または損失を引き起こしているかを特定します。

作り方とイメージ

サービス×期別の売上を比較したチャートを作ってみましょう。

このようにどのサービスがいつマイナスなのか、トータルでマイナスのサービスが可視化されたチャートが作れます。

工数管理

プロジェクトの工数を追跡し、どの活動が最も多くの時間を消費しているかを特定します。

作り方とイメージ

プロジェクトごとの工数を入力したテーブルを作成

複数のプロジェクトの工数をウォーターフォールチャートで管理することもできます。

そのほかにも販売された製品の数量を追跡し、どの製品が最もよく売れているかを示した販売数量管理チャートや、ウェブサイトへの訪問者数の増減を示し、キャンペーンやイベントがトラフィックにどのように影響を与えているかわかるウェブアクセス数の変化を示すチャートも作ることが可能です。

ウォーターフォールチャートとほかのグラフの違いを理解し、適材適所で使い分けて行きましょう。

全体数値と各要素の影響を視覚的に表現できる→折れ線グラフや棒グラフでは難しい

折れ線グラフや棒グラフは一般的に経過による変化やカテゴリ間での比較を表示します。一方でウォータフォールチャートは各要素が全体に与える影響を視覚的に表現することで、一目で増減を理解できます。

各要素の累積効果の強調できる→円グラフや棒グラフでは難しい

ウォータフォールチャートは、各要素の累積効果を強調して表示できるため、状況の変化に対する理解が求められる金融や財務分野で非常に役立ちます。各要素の比率を表示する円グラフや棒グラフでは、累積効果を強調できません。

開始点から終点までの総変化を一目で把握できる→散布図では難しい

開始点から終点までの全体的な変動を一目で把握することができるので、売上の季節変動や費用の増減など、時間を経た変化を視覚的に捉えるのに有効です。対して散布図は各データ点間の相関関係を示すのに使用されますが、全体的な変動を表示することはありません。

要素間の相対的な影響力をグラフで表現できる点は**、**ウォーターフォールチャート独自の利点です。

個々の要素が総計にどのように影響を及ぼしているか、グラフ化によって要素間の相対的な影響力を明確にすることができます。どの要素が結果に最も大きな影響を与えているか、または最も少ない影響を与えているかが視覚的にわかります。

ウォータフォールチャートはその特性を活かし、多種多様な分析に活用することができますが、具体的な事例を紹介します。

財務分析

損益計算書やバランスシートの各項目の変化を視覚的に表示できます。

たとえば、売上高から純利益までの各ステップの変化を示し、企業の財務状況の変化をビジュアル化することで、経営者やステークホルダーが重要な意思決定を行う際の参考になります。

マーケティングパフォーマンス

マーケティングキャンペーンの効果を評価する際に、キャンペーンの開始から終了までのウェブサイトへの訪問者数や売上の変化をチャートを使って示します。そうすることでキャンペーンが目標を達成したか、どのキャンペーンが最も効果的であったか、それらが会社の成果にどのように貢献したかを視覚的に理解することができます。

プロジェクト管理

プロジェクトの予算使用状況や工数の消費状況を分析する際にウォータフォールチャートを使用し、プロジェクトが予算内で進行しているか、特定のタスクにどれだけの時間が費やされているかを把握します。予算オーバーや工数の過剰消費を未然に防ぐための早期警戒システムとしても利用することができます。

製品パフォーマンス

各製品の売上や利益の変化を追跡し、どの製品が最も性能を発揮しているか、またはどの製品が業績に対して重大な影響を与えているかなど、製品パフォーマンスを把握するのに役立ちます。

これらの例からも分かるように、ウォータフォールチャートは、数値の増減や変化を視覚的に表現するという特性を活かして、多様な分析に活用できます。これらの分析はビジネス上の重要な意思決定を助け、結果的には企業の成長と発展に寄与します。


think-cellは、特別なスキルがなくても一定基準のクオリティとデザイン性が高いグラフを一瞬で作ることができます。

グラフの作図にかかる時間を圧倒的に省力化できる think-cell を導入すれば、エクセルやパワーポイントを使った資料作成における非生産的な作業時間を、ほかの生産的な考察に使うことも可能になるでしょう。

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