パワポでかっこいい組織図を作る方法【無料スライドテンプレ付】

21 分で読めます — by Risa Abe
経営企画や人事企画の現場では、組織図を頻繁に更新する必要があります。しかし「見やすさ」と「速さ」を両立させるのは容易ではありません。特に役員レビューなどでは、視認性の低さが指摘され、修正対応に時間を取られてしまうケースも少なくないでしょう。
本記事のアジェンダ
- 経営判断を加速させる「見やすい組織図」の効果
- パワポで組織図を作る3つの方法【無料テンプレ】
- 「かっこいい」をつくるデザイン4原則
- 組織図の失敗を防ぐ!更新・共有の正しいフロー
- 【実践編】SmartArtで5分で組織図を作る手順
本記事では、見栄えが良く、かつ更新効率に優れた組織図の作り方を徹底解説します。SmartArtなども活用した「映える組織図」を作成するコツや今すぐ使える無料スライドテンプレートを紹介しますので、ぜひ参考にご覧ください。
なぜ「映える」組織図が経営スピードを上げるのか
見やすく整った組織図は、意思決定の迅速化に直結します。視覚的に直感的な構成により、レビューや承認プロセスがスムーズになり、稟議の差し戻しや育成計画の誤認識といった手戻りのリスクを低減できるためです。
仮に、組織変更後の組織図の理解が不十分なまま経営を進めてしまうと、予定していた人材配置や研修スケジュールに遅れが生じ、業務に大きな影響が出る可能性があります。
わかりにくい組織図は表面的な見づらさ以上に、業務全体に無視できないコストをもたらすのです。
パワポで組織図を作るための3大アプローチ
PowerPointで組織図を作成する方法には、大きく分けて標準機能のSmartArt、手軽に整ったデザインを利用できるテンプレート、高機能なthink-cellの3つのアプローチがあります。
ここでは、3つのアプローチの特長や適した用途を詳しく解説します。
1. SmartArt:時短だがカスタム限界あり

PowerPointのSmartArtは、誰でも簡単に組織図を作成できる便利な機能です。標準搭載のテンプレートから「階層構造」を選択すれば、すぐに組織図作成用のボックスの配置が完了します。
一方で、SmartArtは個別のスタイル編集に制限が多く、箱サイズや配置の微調整がしにくい一面もあります。特に箱の間隔や色分け、フォントサイズの統一といった細部デザインにこだわる場合、融通が利きにくくなります。
また、図形ごとにオブジェクト化されていないため、他資料との統合やレイアウト変更時に崩れるリスクも存在します。時短には有効ですが、仕上がりの自由度は限定されます。
2. テンプレート活用:デザインの統一が簡単
テンプレートを使えば、プロが設計したレイアウトと配色に基づいた組織図を手早く作成できます。
あらかじめ枠線、文字サイズ、カラーパターンが整っているため、利用者はテキストを入力するだけで見栄えの整った組織図を作成可能です。組織再編が頻繁にある場合でも、テンプレートを使い回すことで一貫性のある資料を維持できるでしょう。
ただし、編集可能な範囲はテンプレートの設計によって異なり、階層構造や図形数の追加には制限があることも多いです。したがって、初期段階の構想やレビュー提出用のドラフトには適していますが、複雑な構成変更や頻繁な差し替えには不向きな側面もあります。
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3. think-cell:テンプレート提供+グラフ自動作成機能!

think-cellは、PowerPointにアドインとしてインストールすることで、グラフ作成自動化やレイアウト調整を効率化できるツールです。
中でも「think-cell Library」は250以上のビジネスシーンで活用できるスライドテンプレートがパワポ内で検索・挿入できる機能となっており、上記のような、複数の組織図スライドテンプレートが含まれます。さらに、自動レイアウト機能など、組織図を簡単にする作成・編集する機能もあります。ボックスのずれや大きさを調整するのに手間と時間をかける必要はありません。
think-cellを活用すると、組織図作成以外の豊富なテンプレート以外にも嬉しいことがたくさんあります!パワポ・Excelを使った資料作成では「think-cell Charts」がおすすめです!普段、Excelデータを使って作成する複雑なグラフもパワポ上で一瞬で作成が可能です。

Excelのグラフをパワポに貼り付けて利用している場合も、Excelデータ更新するだけで、PowerPoint上のグラフを自動更新設定することも可能で、定期的なデータ更新作業なども不要になります。短時間で、見た目の整ったビジネス資料を仕上げることが可能です。さらに、think-cellで作成されたグラフは世界トップコンサルティングファームや大手優良企業の経営増、財務・経営企画などでも愛用されています。
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「かっこいい」を決める4つのデザイン原則
デザイン次第で、同じ組織図でも「伝わり方」が大きく変わります。ここでは、デザイン性と視認性を両立するための4つのデザイン原則を紹介します。
配色・余白・フォント設計からスライド構成まで、すぐに実践できる工夫を解説しますので、ぜひ参考にご覧ください。
1. 3色ルール(ベース/強調/リンク)
組織図の配色で最も重要なのは、色数を絞ることです。基本は「ベース色・強調色・リンク色」の3色構成にすると、視覚的に整理され、誰が見ても読み取りやすいデザインになります。
ベース色にはホワイトやライトグレーなどの落ち着いた色を、強調色にはブランドカラーや部署ごとの色を使用すると見やすい組織図になるでしょう。リンク色は部署間の関係線などに用いると、構造の把握がしやすくなります。
例えば、「役員=ネイビー」「管理職=ブルー」「一般職=グレー」と階層別に色を割り当てることで、視線の流れを自然に誘導できます。色の主張が強すぎると逆効果になるため、明度や彩度を抑えて配色するのがポイントです。
2. 余白1:1:2比率で視覚ノイズを削減
図形や文字をいくら整えても、余白が適切でなければ見づらい組織図になってしまいます。そこで有効なのが「1 : 1 : 2」の余白比率ルールです。
左右・上下のパディング(内側の余白)を均等に保ち、図形同士の間隔はやや広めに設定してみましょう。この比率を守ることで、情報のグルーピングが明確になり、読み手の目線が迷わなくなります。
具体的には、「上下5px・左右5px・図形間10px」などの形で調整します。見栄えを整えるうえで、余白の設計はフォントや色以上に重要な要素です。適切な空間が洗練された印象を演出します。
3. 階層を意識したフォントサイズ
組織図の情報は、フォントの階層設計によって伝わり方が変わります。
視線誘導を意識するなら、役職を18pt、氏名を14pt、補足情報を11ptなどのように、「役職>氏名>補足情報」の順にフォントサイズを設定するのが効果的です。階層差をつけることで、読み手はどこに注目すればよいか瞬時に判断できます。
また、役職を太字、氏名を標準、補足をややグレーにするなど、視覚的強弱をつける工夫も有効です。加えて、フォント種類は「游ゴシック」「メイリオ」など、可読性が高く、資料全体で統一されたものを選ぶと引き締まった印象に仕上がります。
複数種類のフォントの混在は、資料全体の一貫性を損なうため避けましょう。フォントのサイズと重みを意識的に使い分けることで、組織情報がより明確に、かつスタイリッシュに伝わるようになります。
4. 階層深度3以上は「サブ組織図」で分割
階層が深くなりすぎると、1枚のスライドに情報を詰め込みすぎて視認性が損なわれます。そこで活用したいのが「サブ組織図」への分割とリンク活用です。
例えば、部長以下の構成が複雑な部署だけ別スライドに切り出し、親スライドにはリンク付きのラベルだけを配置するといった方法が効果的です。
スライド枚数が多少増えても、情報が整理されているほうが資料の印象は良くなります。過剰な情報詰め込みは避け、分割・リンクで見やすさを保つことが重要です。
失敗しない組織図の更新・共有フロー
資料の完成度が高くても、更新や共有の過程でトラブルが発生すれば本末転倒です。
まず、PowerPointで作成した組織図に外部ファイル(例:Excelの人事データなど)を貼り付けたり、リンクしたりしている場合は、参照元のファイル名や保存場所を変更しないように注意が必要です。ファイル構成が変わると、リンクが切れて正しく表示されなくなることがあります。
次に、PDFで書き出す際は、レイアウトの最終確認を徹底しましょう。特に、図形やテキストボックスがスライドの端に寄りすぎていたり、表示範囲を超えていたりすると、印刷や画面共有で意図しないトリミングが発生する可能性があります。
さらに、Teamsやメールで共有する際は、「編集を許可しない」オプションで配布することで、受信者による誤編集や上書きを防げます。組織図は定期的な更新が想定されるため、ミスなくスムーズに共有・改訂できる運用フローを確立することが、業務効率化の鍵となります。
【実践】SmartArtを使って
5分で組織図を作成してみる
SmartArtを使えば、PowerPoint初心者でも短時間で組織図を作成できます。
ここでは、SmartArtを使った組織図テンプレートの呼び出しから階層調整、配色・フォントのカスタマイズまで、実践的な操作手順を3つのステップで解説します。
手順① 既定テンプレ呼び出し

まずはPowerPointを開き、「挿入」→「SmartArt」→「階層構造」から「組織図」を選択しましょう。
表示される初期レイアウトには、管理職と部下が縦に並ぶ構成が用意されており、最小限の編集で即時利用できます。その後、操作パネルのテキスト欄に役職や氏名を入力することで、該当するボックスに自動的に内容が反映されます。
注意点として、SmartArtはあらかじめ図形数が決まっているため、短時間で完成まで持ち込めますが、デフォルト設定のままだと見栄えに物足りなさを感じる場合もあります。
とはいえ、初めての方でも手軽かつ素早く美しいデザインを配置できるため、まずはSmartArtを利用して組織図の作成にチャレンジしてみると良いでしょう。
手順② 階層追加・削除のコツ
SmartArtでの階層操作は、テキストペインの使い方が鍵を握ります。「Enter」で新たな項目を追加し、「Tab」で下の階層に、「Shift+Tab」で上の階層に移動できます。間違って追加した項目はDeleteキーで削除可能です。
スムーズに作成するためのコツは、あらかじめ構成を頭に描いてから操作することです。視覚的にドラッグ&ドロップはできないため、誤った階層を入力すると、全体の構成が乱れるおそれがあります。
また、「Alt+Shift+←/→」を使えば、階層の変更が瞬時に行えるので、複雑な構成でもリズムよく修正が可能です。操作に慣れるまでは、自分なりにさまざまな機能に触れながら、どのような動作をするのか確かめつつ作業することをおすすめします。
手順③ 配色・フォント変更で“野暮ったさ”を解消
SmartArtのデフォルト配色やフォントでは、どうしても「社内資料感」が強くなりがちです。この課題を解消するためには、「デザイン」タブからスタイル変更を行いましょう。
まずは「色の変更」で、企業のブランドカラーに近いトーンを選びます。次に、各図形を選択し、フォントサイズと種類を調整することで視認性と統一感を高められます。
また、不要な枠線や影を除くことで、よりすっきりと洗練されたデザインになります。全体の余白バランスにも注意し、詰め込みすぎを防ぐことで「映える」組織図に仕上がります。
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資料作成にはテンプレートを活用しよう
組織図作成では、初動のスピードと継続運用のしやすさが重要です。まずはSmartArtやスライドテンプレートで素早くドラフトを作成し、その後、中身を埋めていくが理想的な流れです。
見た目に差が出るポイントは、配色と余白のバランス。3色ルールと「1 : 1 : 2」の余白設計を徹底することで、テンプレート以上に洗練されたデザインが実現できます。
運用の手間を最小限に抑えながら、誰が見てもわかりやすい資料を作成することが、経営の意思決定を早めるための最大のポイントです。