外資コンサルパワポ最強説!実際の公開スライドでコツ等解説

48 分で読めます — by Risa Abe
外資系コンサルのプレゼン資料は「わかりやすさ」「美しさ」「説得力」の三拍子がそろっています。
本記事のアジェンダ:
- 【実例分析1】マッキンゼー資料の構造とストーリー設計
- 【実例分析2】BCG資料に学ぶグラフ・データ表現の極意
- 【実例分析3】その他外資コンサル資料に見るデザインと視線誘導テクニック
- コンサル資料に学ぶ、魅力的な資料作成の具体ステップ
本記事では、マッキンゼー・BCGをはじめとした令和3年以降の最新公開スライドを例に、資料づくりのプロの技術を徹底解説します。外資コンサルが意識している実際の時短術まで紹介しますので、資料作りの参考にぜひご覧ください。
【最新】外資コンサルの実際のパワポ資料例と分析
外資コンサルのパワーポイント資料は、見やすさと論理構造を重視し、短時間で説得力を持たせる工夫が随所に見られます。マッキンゼー、BCG、アクセンチュアなどの最新の公開資料では、ストーリーラインが明確で、グラフやチャートの使い方に一貫性があります。
これらの資料はthink-cellの活用や、色使い・レイアウトにおいても参考になる部分が多く、日本企業の資料改善のヒントが詰まっています。
ここでは、代表的な外資コンサルの実際のパワポ資料について分析します。
実例 ①:マッキンゼーの資料分析と参考ポイント
マッキンゼーの資料は、全体のストーリー構造とページ単位のメッセージ性が徹底されています。実際に公開されている資料でも、各スライドが「何を伝えたいのか」がひと目で分かる設計です。
また、マッキンゼー資料の大きな特長は、意思決定のための論点がページごとに1つに絞られており、情報の取捨選択が徹底されている点にあります。スライドの説得力を高め、経営層向けのプレゼンで参考になる構造となっています。
令和4年の公開資料例
マッキンゼーは令和4年においても高品質なパワーポイント資料を複数公開しています。
例えば、脱炭素燃料サプライチェーンや女性リーダー確保支援事業の報告書では、資料全体がストーリー仕立てでまとめられ、政策提案や調査結果が整理されています。
アンケートやヒアリング調査結果のまとめ方に迷っている方はまず、本資料を参考にしてみてください。下記で、参考になるスライド例を紹介します。
参考資料1:女性リーダー確保のためのクロスカンパニーメンタリングの実施環境整備に向けた課題調査事業(https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2022FY/000555.pdf)

上記のスライドでは、資料のトピックにおける概要を二つのグラフでその状況をもの語っています。

ある項目に関するアンケート結果を横棒グラフで表現しています。こちらは横棒グラフを数値の大きなランキング形式でまとめているという点が、わかりやすさのポイントとなっています。
このように、アンケート結果は横棒グラフでランキング形式で表現するのはおすすめです。

一方で、このスライドでは左側でデータの概要を、右側に実施したアクションやその反応をまとめています。左から右にストーリーが語られているのは、聞き手は目線が左から右に資料を読んでいくという流れを考慮した構成となっているからです。

最後の一枚として紹介するこちらのスライドは、左側に100%という全体の結果を、そして右側に良かった点・悪かった点を具体的なコメント付きでまとめることで全体の結果をうまく表現しています。
また、各スライドには上部にそれぞれのスライドをまとめるようなタイトルがついており一目スライドを見るだけで何を報告しているのかが理解できる点も素晴らしいです。
外資コンサルご用達・パワポ拡張ツール「think-cell」を活用すれば、パワポ上でだれでも簡単に複雑なグラフを作成可能です。
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参考資料2:エネルギー・トランジション時代に求められる資源ビジネスモデルの変化とファイナンスについての調査事業(https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2022FY/000762.pdf)
P5、10、16など、一目でストーリーがわかるスライド

P5のスライドでは、折れ線グラフと面グラフを活用し、将来の分析予測を表現している様子が秀逸です。

上記のP10では棒グラフをカテゴリ毎に色分けし、必要箇所には差分矢印(-60%)ラベルを挿入することで、その「ギャップ(差分)」を数値で言語化し、明確なデータによるコミュニケーションを実現しています。

また、P16では、左の横棒グラフを軸にして、右側には主要メッセージを補足する説明文と地図、アイコンが絶妙に配置され、視線誘導が計算されています。
色分けや枠組みでテーマの区切りを視覚化し、どこに注目すべきかが明確です。こうしたスライドは、説得力を持たせたい場面で参考にしたい構造です。
ガントチャートを使って、直線的なアクションを表現の極意

マッキンゼーのガントチャートは、プロジェクトの全体像と各アクティビティを直感的に伝える構造です。直線的なデザインで進捗状況や課題をひと目で把握でき、時間軸と業務の紐づけが明確です。
色の濃淡や線の太さで優先順位や重要性を表現し、過不足のない情報量で資料が簡潔にまとまっています。補足の注釈は必要最小限に抑えられ、視線を分散させず、要点がまっすぐ届く工夫が徹底されており、経営層向け資料やプロジェクト管理者の方に参考になる資料です。
think-cellで最高レベルのガントチャートでプロジェクトの概要を作成・追跡できます。スケジュール変更に伴う微調整もあっという間に調整反映可能です。
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参考資料3:ヘルスケア産業国際展開推進事業(国際展開体制整備支援事業)報告書(https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2022FY/000497.pdf)
こちらの資料では、あらゆる国のヘルスケア事情について調査した報告書です。あらゆるデータをまとめる際に、国旗アイコンを使用することで、ビジュアル理解をサポートしています。


このようにアイコンを沢山使用しなければならないスライドでは、think-cell Libraryが活躍します。パワポ上で商用利用可能なアイコンを検索・ワンクリックで挿入することができます。
また、アイコンだけではなくて画像や、あらゆるビジネスシーンを想定したテンプレートスライドもパワポ上で提供されています。
40種類以上のグラフ作成・加工を提供するthink-cell Charts、商用利用可能な資料作成素材をパワポ内で提供するthink-cell Libraryなど、メールアドレス登録だけで30日間無料で全ての機能をお試しいただけます。

実例 ②:BCGの資料分析と参考ポイント
BCGの資料は、レイアウトの構造化とデータの見せ方に特長があります。比較対象の強弱や割合を直感的に伝えるグラフ配置や、視覚的にデータを強調するハイライトを巧みに使用し、複数国データの差異や変化を理解しやすくしています。
表現の一貫性も高く、説得力ある資料作りの手本になる資料となっています。
まずはこちらの参考からです。
参考資料4:令和4年度大企業等人材新規事業創造促進事業(https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2022FY/000707.pdf)
P13:100%横棒グラフの説得力

P13の100%横棒グラフは、データの割合比較において視認性と説得力を両立した作例です。各層や国の比較を、棒の長さと色の濃淡でひと目で伝え、説明文がなくとも内容が直感的に理解できるようになっています。
色は最大3色程度に抑え、情報過多を防ぎつつ必要な情報を鮮明に伝える工夫がされています。ラベル配置や凡例の統一感も高く、資料の一貫性が担保されています。資料作成時に横棒グラフを採用する際、参考にしたい見本といえるでしょう。
データのハイライトと視線誘導の工夫
下記のP14, 36では、データの重要ポイントをハイライトする手法と、視線誘導を意識したレイアウト設計が秀逸です。
P14では主要データにだけ強調色を使い、業種別の比較をひと目で理解させる工夫がなされています。

P36ではブロック分けされた構造により、複雑なデータでも論点の流れが自然に頭に入りやすいです。色数や図形の使い方に統一感があり、必要な情報が過不足なく視覚化されている好例です。

実例③ : その他外資コンサル企業の優れた資料
アクセンチュア、A.T.カーニー、ローランドベルガーなどの資料も、テーマに応じたデザインとデータ表現で高い評価を得ています。

参考資料5:アクセンチュア「CASE等による産業構造変化を見据えた国内技術動向調査」
アクセンチュアの資料はグレー基調に紫でアクセントを付け、視線を論点に自然に集める構造です。


参考資料6:A.T.カーニー株式会社「令和3年度産業経済研究委託事業(デジタル化等による産業構造の変化を踏まえた、日本経済の持続的成長・発展のための政策手法の検討に向けた調査)」
A.T.カーニーはグラフの色使いとボックス整理が見事で、複雑な内容も理解しやすくなっています。


参考資料7:株式会社ローランドベルガー「ファッションの未来に関する報告書」
ローランドベルガーのこちらの資料はファッション調査資料でおしゃれなデザインと論点の明確さを両立しています。見た目の美しさと情報の伝わりやすさを融合した好例といえる資料です。


色使い・国旗/アイコンの効果的活用例
外資コンサル資料では、国旗やアイコンの使い方がかなり洗練されています。
国際比較データのページでは、国旗を小さなアイコンとして配置することで視線が自然と比較対象に集まり、混乱を防ぎます。色はベースをグレー系とし、強調部分のみ紫や青を使う手法が主流で、必要箇所の論点が際立ちます。
効果的にアイコンを使用することで、読み手が余計な情報に気を取られず、本質に集中できるようになるだけでなく、資料の視覚的統一感も高まります。
think-cell はパワポ上で、あらゆる商用利用可能なアイコン・画像を検索することが可能です。見つけた素材はワンクリックでスライドに挿入できます。メールアドレス登録だけで30日間無料で全ての機能をお試しいただけます。

「どこにいるか」がひと目でわかるアジェンダもポイント
外資コンサルのアジェンダは単なる目次ではなく、資料の全体構造と進行状況を示す役割を持っています。100ページに近い、またはそれを超えるような調査資料では、このようなアジェンダ(目次)スライドを挟み、現在全体像のどこにいつかをしっかりと示していく必要があります。


また、多くの資料では、スライド上部などに現在位置を明示し、章番号や色分けでどの章に属しているのかを直感的に示しています。これもかなり有効です。
下記スライドがこちらの例で、右上に「企画~アフターサポート」までのプロセスを示すプロセス図があり、現在アフターサービスについて説明しているスライドであることがよくわかります。

本記事で紹介したA.T.カーニーやアクセンチュアの資料では、この工夫が徹底され、長い資料でも迷わず必要な情報にたどり着けます。
論点が明確な資料作りにおいて、現在地をひと目で確認できるアジェンダや工夫は欠かせない存在です。
コンサル資料に学ぶ、魅力的な資料作成の具体ステップ
外資系コンサルの資料作成は、構造的なストーリーと視覚的な説得力の融合が特徴です。このような魅力ある資料を作成するためには、最初にストーリーラインを設計し、全体の流れとページの役割を明確化することが重要になります。
ここでは、コンサル資料のような魅力的な資料の作り方を具体的なステップで解説します。
ステップ1:全体設計からページ構成までのストーリーラインを設計
ストーリーライン設計では、まず伝えるべき主張と論拠を明確にし、章立てやページ構成を決定します。最初にホワイトボードやラフスケッチで全体像を作り、各ページに載せる論点、図表、メッセージを割り当てると良いでしょう。
次にレビューを行い、論理の飛躍や抜けを修正します。外資流では「資料全体の流れを一貫させる」ことが最重要視されるため、各ページは必ず1つのメッセージだけを載せるのが原則です。これにより、受け手がストレスなく論点を理解できます。
ステップ2:PowerPointを使い倒して視覚的に分かりやすいグラフと表を作る
外資コンサルの資料では、PowerPointの標準機能を駆使し、視覚的にわかりやすいグラフ・表を作成しています。
例えば、ガントチャートはプロジェクト進行やタスクの全体像を示し、ウォーターフォールグラフはコストや利益の変化を段階的に見せることができます。また、100%棒グラフは割合の比較に効果的です。
資料は全体的に色数を抑え、必要な部分にだけ強調色を用いることで、情報過多を防ぎつつ要点を際立たせられます。表やグラフはページごとのメッセージに合わせて最適な形式を選び、説得力を高めることが重要です。
外資コンサル流「1枚で伝わるスライド」の条件とは?
1枚で伝わるスライドの条件は、主張を1つに絞り、補足情報を最小限に抑えることです。フォントは14pt前後、色は基本色と強調色の2〜3色で統一し、余白を十分に取って情報の詰め込みを避けましょう。
罫線や枠線は最低限にし、注釈は視線が散らない位置に配置します。アニメーションや特殊効果は使いすぎず、必要な部分にのみ、動きの少ないフェード程度に留めておきましょう。
このような工夫で、スライドの論点が直感的に理解でき、受け手の集中力を維持しやすい資料に仕上がります。
【無料DL】短時間で高品質資料を作るパワポテンプレ集
外資流資料作成を再現するには、プロが実務で使うテンプレートやツールの活用が不可欠です。論理構造済みのテンプレートやthink-cell対応の素材を使えば、資料作成の精度とスピードが向上します。
さらにCanva、Visioなどを使い分け、コストと工数の最適化を図るのが高品質かつスピーディーに資料を作るポイントです。ここでは、おすすめのツールとテンプレートを紹介します。
無料・有料のおすすめ資料作成ツール
資料作成ではthink-cell、Canva、Visioの使い分けが重要です。think-cellはガントチャートやグラフ作成に強く、PowerPointと連携することで高速な作図が可能です。
また、Canvaはデザイン性が必要な表紙やタイトルスライドに最適で、無料版でも十分高品質な素材を作成できます。
Visioは複雑な図形やフロー図、業務プロセス図に強みがあります。高品質な資料を作成するためには、これらを目的別に使い分け、工数を抑えつつ高品質資料を効率良く作成していくことが大切です。
【コンサル経験者厳選】think-cellの「使える」パワポテンプレート250種
think-cellのパワーポイントテンプレートは、戦略、業務改革、財務、人事など幅広い用途に対応しており、論理構造があらかじめ設計されています。
特に、元外資コンサル社員たちが実務経験をもとに作成した250種以上のテンプレートでは、現場で実際に使われた型をもとにしており、資料作成の精度とスピードを劇的に高められます。
think-cell対応テンプレートなら、ガントチャート、縦棒グラフ、ウォーターフォールグラフなど複雑なチャートを素早く作成でき、スライド全体の一貫性を保つのに有効です。

上記のように、デザイン性にも優れた250種類以上のスライドをワンクリックで選択・挿入できます。
1枚1メッセージの原則に基づいたスライド設計、色使いや余白のガイドが施されているため、資料の統一感が自然に生まれる設計です。
think-cell の30日間無料トライアルを開始すれば、テンプレートを含むすべての機能を今すぐご利用いただけます。下記から会社メールアドレスを登録してご利用ください。
失敗しない!コンサル流プレゼン資料作成のチェックリスト
外資コンサルは資料作成時、完成前に必ずチェックリストで品質確認を行います。1ページ1メッセージになっているか、グラフ・表の単位やフォーマットが統一されているか、ストーリーの流れに論理の飛躍や漏れがないかを確認します。
第三者レビューも重要で、受け手視点でのわかりやすさを最終確認します。ここでは、コンサル流のプレゼン資料作成チェックリストを紹介します。
1ページ1メッセージを厳守する
資料作成の基本は、1ページに1つのメッセージだけを載せることです。
論点が複数混在すると、受け手は混乱し、結論が伝わりません。そのため、スライドタイトルで主張を明示し、本文や図表はその主張を裏付けるデータや根拠に限定することが重要になります。
外資コンサルではこのルールを徹底し、ページの冒頭で何を言いたいのかが即座に伝わる資料を作成しています。加えて、タイトルと本文・図表の整合性も必ず確認します。
グラフ・表の単位、フォーマット統一を徹底する
グラフや表の単位・フォーマットがバラバラだと、受け手の混乱を招きます。外資コンサルの資料では、グラフ単位は「千人」「%」などに統一し、軸のスケールや色使いも一貫性を持たせています。
さらに、表内の数値は桁区切りや小数点のルールを決め、全ページで揃えることを徹底します。こうした細部への配慮が資料の信頼性を高め、意思決定層への説得力につながります。
第三者レビューでストーリーの流れがロジカルかを確認する
資料のストーリーが論理的に流れているか、必ず第三者の目で確認することが重要です。
資料の作成者は、思い込みで論理の飛躍や論点の漏れに気がつかないことがあります。そのため、外資コンサルでは資料提出前にレビューを行い、論点の一貫性、根拠データの正確性、受け手視点でのわかりやすさを確認します。
第三者の視点を取り入れることで、より主張が伝わりやすく、品質の高い資料が完成します。
【まとめ】「伝わる資料作り」の本質を理解しよう
外資コンサルの資料は、論理の一貫性、視覚的な説得力、徹底した細部の統一で作られています。彼らの資料を参考にしながら、1ページ1メッセージ、色・フォーマット統一、第三者レビューの習慣を取り入れるだけで、資料の質は大きく向上します。
実例に学び、自社資料を改善することで、意思決定層に響く「伝わる資料」を作り上げることが可能です。本記事で紹介したポイントも参考にしながら、ぜひ実際の資料作りに反映してみてください。
資料作成に使用する図やグラフは、think-cellを使うと美しく伝わりやすいテンプレートを一瞬で配置できます。さらに高品質な資料を作成しつつ、時短を実現したい方は、まずはメールアドレスだけで気軽に利用できる14日間の無料トライアルをお試しください。