途中を省略した波線付グラフを作る【裏技紹介】

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会議でデータを使った資料を使用する様子

26 分で読めます — by Risa Abe

会議やミーティングで、共有するグラフに「外れ値」が含まれていると、他のデータの比較が難しくなり、説明の手間が増えてしまいます。特に経営層への報告やプレゼンでは、意図が正しく伝わらず、再確認や補足説明に時間を取られるケースも少なくありません。

下記のようにグラフに「波線」を加えることで視覚的な理解を容易にしてデータを理解しやすくすると会議の進行もスムーズになるでしょう。

※こちらは、本記事内で、後半に裏技として紹介している方法です。

think-cellのパワポでグラフに省略線を追加する様子
パワポ拡張ツール「think-cell」でグラフに波線を追加する様子

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本記事の内容:

本記事では、波線を活用し、Excelで外れ値を視覚的に省略する方法を解説します。なみなみ波線とまっすぐ波線の2種類の省略線の作成手順を解説し、資料の説得力を高めるためのポイントをまとめましたので、業務の時短と説得力アップにお役立てください。


Excel グラフで外れ値によるスケールの歪みを防ぐためには、波線による省略線の作成が有効です。図形ツールを活用し、見た目に美しい省略線を手動で作成すれば、視覚的に分かりやすく信頼性の高い資料になります。

ここでは、図形の曲線機能を用いた波線作成や、配置や保存方法について具体的に解説します。

1. 図形[曲線]を使い EXCEL の枠を上手に利用

Excelの挿入タブ→図形から「曲線」を選択する様子
Excelの挿入タブ→図形から「曲線」を選択する様子

Excel の図形ツールの「曲線」機能を使用すると、グラフの軸に沿った波線を自在に描写できます。挿入タブから図形の曲線を選択し、Alt キーを押しながらドラッグすることで、Excelの枠線に合わせた正確な位置決めが可能です。

図形の「曲線」をエクセルシートに挿入する様子
図形の「曲線」をエクセルシートに挿入する様子

作成時、波線の始点と終点は軸の上下に揃え、違和感のないデザインを心掛けましょう。曲線ツールの基本操作に慣れておくと、省略線作成の自由度が大きく広がります。

2. 線を太くして同じものを3つ作る

作成した波線は、線の太さを1.5pt前後に設定すると視認性が向上します。同じ波線をコピーし、合計3つ用意しましょう。この3本の波線を活用することで、中央を白線にし、両側を色付きにして省略感を演出できます。

エクセルシートに図形を3つ重ねて配置した様子
エクセルシートに図形を3つ重ねて配置した様子

波線をコピーする際は、Ctrl+ドラッグで正確に行うのがポイントです。コピー機能を使用すると、次の調整作業の効率化につながります。

3. 中央の波線を白に変更

エクセルシート上で3つの図形をずらして配置した様子
図形を3つ重ねて配置、真ん中の図形は白にした様子

3本のうち、中央の波線の色を白に設定します。これにより、省略部分が自然に見え、主張しすぎない省略線が完成します。

線の種類は実線で、太さは1.5ptのまま使用しましょう。白線と両側の波線のコントラストが適度なアクセントとなり、グラフ全体の視認性も向上します。色を変更した後は、背景色と重なっても見えるか確認すると安心です。

4. 隙間ができていないか確認

波線の並びに不自然な隙間ができていないか、改めて全体を確認します。ズーム表示や背景色変更で確認すると、微細なズレも見つけやすくなります。

必要に応じてAltキーを使って微調整し、線の継ぎ目が滑らかに見えるよう調整してください。ここでの丁寧な作業が、最終的なグラフの完成度を左右します。

5. 調整しやすいように3つの波線を「グループ化」

3つの図形を選択して右クリックからグループ化する様子
3つの図形を選択して右クリックからグループ化する様子

3本の波線をすべて選択し、右クリックで「グループ化」を実行します。グループ化することで、位置調整やサイズ変更が一括で可能になり、スライドやグラフ内での編集がスムーズになります。

グループ化した後でも、Ctrl+クリックで個別編集が可能なため、必要に応じて細かい修正も簡単に行えます。

6. いつでも使えるよう画像として保存しておく

図形を選択→右クリックから「図」として保存している様子
グループ化した図形を選択して、右クリックから図として保存する様子

完成した波線は、右クリックから「図として保存」を選び、PNG形式で保存しましょう。保存しておけば、他の資料でも再利用でき、作業時間を短縮できます。

ファイル名には用途やバージョンを付け、管理しやすくするのがポイントです。保存場所は社内共有フォルダに置くと、チーム全体で活用できます。


外れ値を含む棒グラフでは、全体の傾向が正確に伝わらなくなることがあります。途中を波線で省略することで、外れ値に引っ張られずに全体の比較がしやすいグラフを作成できます。

ここでは、Excel 標準機能による波線省略棒グラフの考え方と手順を紹介します。

途中を波線で省略した棒グラフとは

「波線付き棒グラフ」とは、グラフの縦軸の途中を省略し、外れ値と通常値の視認性を両立させるための手法です。

波線付き棒グラフを活用することで、外れ値の影響で軸が極端に広がる現象を防ぎ、通常値の傾向を正しく示せます。手動で波線や副軸を追加する必要がありますが、視覚的な分かりやすさと資料の説得力が格段に高まります。

途中を波線で省略した棒グラフの作成手順

波線付き棒グラフを作成するためには、まず外れ値を第2軸に設定し、通常値と異なるスケールで表示します。次に、波線図形を挿入して省略部分を視覚的に明示します。

目盛線や補助線は不要な部分を非表示にし、凡例や注記で加工意図を補足することが重要です。地道な作業ですが、信頼性の高いグラフ作成に役立ちます。

ここでは、5つのステップで波線付き棒グラフの作成手順を解説します。

ステップ1:第2軸を設定する

エクセルシートに棒グラフを挿入した様子
エクセルシートに2軸の棒グラフを作成した様子

外れ値データ系列を右クリックし、「データ系列の書式設定」から「第2軸にプロット」を選択します。これにより外れ値だけが別スケールで表示されるようになり、主軸の視認性を維持できます。

第2軸の目盛線や色は目立ちすぎないよう調整し、主軸との優先順位を明示しましょう。視線誘導の工夫がグラフ全体の理解度を高めます。

ステップ2:左側の軸の目盛を調整する

エクセルシートに2軸の棒グラフを作成した様子

左軸(主軸)は、「軸の書式設定」から、通常値の傾向が分かりやすいよう最大値と目盛間隔を手動設定します。例えば、最大値を5,000に固定し、主要データが均等に分布する間隔にすると効果的です。

目盛線の太さや色は主軸の基準線として機能するよう調整し、外れ値と区別できるデザインを意識しましょう。

ステップ3:右側の軸の目盛を調整する

X軸とY軸の値からの混乱を防ぐために値を配慮しながら調整する
グラフの軸の書式設定を開いて、目盛を調整する様子

右軸(副軸)は外れ値専用のスケールに調整します。外れ値の数値に合わせ最大値を設定し、主軸と視覚的に区別できるようにします。上記の例では、最大値を35,000としています。

この時、目盛線の色は控えめにし、フォントも主軸より一段弱いトーンにすると情報階層が明確になります。細かい調整を行うことで、外れ値と通常値の比較がよりスムーズになります。

ステップ4:数値軸の 2つの目盛を第2軸の目盛の値に変更する

X軸とY軸の値からの混乱を防ぐために値を配慮しながら調整する

主軸の上部目盛を副軸のスケールに合わせると、視覚的なつながりが自然になります。

数値軸ラベルの位置やフォントサイズも調整し、混同が起きないよう配慮することも重要です。スケールを合わせておくと、数値の変化が直感的に理解でき、グラフの説得力が高まります。注記や凡例で必ず加工意図を明示することも大切です。

ステッ5:波線を表示する

先ほど作成した「波線」の図形を配置したグラフ
先ほど作成した「波線」の図形を配置したグラフ

波線は省略部分を視覚的に補足する重要な役割を果たします。図形ツールの曲線を使って軸上に配置し、色や太さは控えめなデザインにしましょう。

波線を配置する際は、「※波線=一部スケール省略」など注記を添えることで、資料作成者の意図を誤解なく伝えられます。作業後は、作図したグラフにズレや隙間がないかを必ず確認しましょう。


think-cellは、PowerPointとExcel のデータ連携を活用し、波線付きグラフをわずか数クリックで作成できる便利なツールです。特に、波線の自動挿入機能や配色統一機能が優れており、手間なく高品質なグラフ作成が可能です。

ここでは、think-cellを使用するメリットと簡単に波線付き棒グラフを作成する方法を紹介します。

think-cellのパワポでグラフに省略線を追加する様子
パワポ拡張ツール「think-cell」でグラフに波線を追加する様子

メリット1:なみなみ波線を一瞬で挿入できる

think-cell のグラフを右クリックし、「Edit Break」を選ぶだけで、自動でなみなみ波線が挿入されます。図形を手動作成する必要がなく、波線のない部分のデータの位置やデザインも整った状態で配置されるのが特長です。

グラフの省略意図がひと目で判別でき、資料の品質も向上します。編集後も「Refresh機能」をクリックするだけで、リアルタイムで最新データに更新できるのも魅力です。

メリット2:まっすぐ波線でシンプルに省略可能

think-cellは、まっすぐ波線の配置も可能です。簡潔で主張しすぎない省略表示を作りたい場合に最適で、グラフ全体の整合性を保ちつつ、視認性を高めるデザインに仕上がります。

挿入後の調整もクリック操作で完了し、資料の完成度を短時間で高めることが可能です。時短と高品質を両立できるのが強みです。

think-cellで高品質な資料作成と時短を両立

PowerPoint に組み込んで動作する専用アドインのthink-cellなら、Excelの元データと連携しながら視覚的に優れたグラフを短時間で作成できます。

特に、波線の自動挿入、配色の一括統一、注記や凡例の自動配置といった機能により、従来手作業で数時間かかっていた調整作業をわずか数分に短縮可能です。

さらに、元データの更新時には Refresh ボタンひとつで PowerPoint 側のグラフに即座に反映されるため、修正や再調整の手間が不要です。

充実した機能により、資料作成の工数を大幅に削減しつつ、説得力ある高品質な提案資料をスピーディーに仕上げられます。30日間の無料トライアルも提供していますので、導入前に効果を体感してみたい方は、ぜひお気軽にお試しください。

 

波線付グラフは、外れ値を省略し、全体の傾向を正しく伝えるための工夫として効果的です。提案力と資料の完成度を高めるため、まずは基本の手法から実践してみましょう。

Excel 標準機能と図形ツールだけでも実現可能ですが、think-cellを併用すると作業時間を大幅に短縮し、高品質な資料を効率的に作成できます。


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think-cellをインストールしたパワポでテンプレートを検索・挿入する様子
think-cellをインストールしたパワポでテンプレートを検索・挿入する様子

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